第4話:真実…。
お待たせしました。
「えぇー!?」
いきなりの命を狙われてるという発言に、うろたえる俺…。
しかし、彼女は話を続ける。
「そういう反応になるわね……。」
「も、もっと詳しく教えてください!!」
「わかったわ……。あなたを男の子から女の子に変えた理由は、それが関係しているのよ。」
「どういうことですか……?というか、どうやって俺の性別を変えることができたんですか……?」
「それはね…、まず知ってもらいたいのは、私……魔法使いなのっ!」
「え?ま、魔法使い…?」
「あら?知らないかしら…?映画とかであるじゃない?あんなのよ……?ほら、こんな感じで…。」
彼女がそう言うと、俺が手に持っていたコップから紅茶だけが浮いてきた。
宇宙での無重力状態のときに、液体が球状に浮かぶアレだ……。
「うっ、浮いてる!?」
それで確信した。
彼女はホントの魔法使いだと……。
「これで信じてくれるかしら……?」
「はっ、はい!」
「よかった…。では、話を続けるわ。今ので分かったと思うけど、性別が変わったのは私の魔法によってよ。」
「はい…。それは分かりました。でも、なんで性別を変える必要が…!?」
「さっき言ったと思うけれど、命が狙われてるのが一番の原因。そしてなぜ命を狙われるかってことなんだけど……。魔法ってなぜ使えるか、わかるかしら……?」
「え…?えっと…。」
魔法の源…。
ゲームとか映画とかだったら……、
「その人自身の魔力……?」
「あら?賢い子ね……。そう、私たち魔法使いには個人で格差があるけれど、魔力があるから魔法が使えてるの。」
「はぁ……?」
「そして、あなたにも魔力があったのよ。」
「えっ!?俺にですか……?」
「えぇ……。とてつもないくらい大きな魔力がね……。そして、魔力が大きければ大きいほど、様々な魔法が使える。世界を変えるほどのね…。」
「そ、そんな力が何で俺にっ!?」
「わからないわ……。でも、あなたが大きな魔力を持っていたのは事実…。そして、その力を狙う人たちもね。でも、最近その魔力を隠せる術を見つけたの。」
「っ…!?…もしかして、それが……。」
「そう、性別を変えることよ。」
「………。」
「実際に、性別を変えたことによって魔力をあんまり感じ取れなくなったわ。これなら、あなたを狙ってる連中にも気づかれないはず……。」
「そ、そうですか……。」
「やっぱり、怒ってるわよね……?でも、彼らに気づかれないようにするためには、仕方がなかったの……。」
そりゃあ、いきなり勝手に性別を変えられて、怒っていないわけがない。
しかし、それは俺のためを思ってのこと。
「いえ……、怒ってないです…。でも……何で俺のことをそうやって助けてくれたんですか……?それだけ教えてください…。」
「………。」
彼女が一瞬言葉を失う。
ピンポーン
「まだ思い出してないのね……。」(ボソッ)
「す、すみません…。チャイムで聞き取れなかったです…。」
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
「しつこくチャイムなってるから、ひとまず出てみたらどうかしら……?」
「そ、そうですね…。」
急いで玄関へと向かう。
「はーい。今出ます…!」
ガチャ
声が聞こえてくる。
「たのもッーー!!」
「詠人……、こん……。」
「詠人様、こんにちは。」
そこにいたのは、美羽・凛・楓だった。
「え…?あれ…?何で、3人が家に……?」
「ひどいなーッ。メールしたと思うけどなー。プンプンだぜ。」
「何が、『だぜー』だぁ……。今色々と取り込んでて、忘れてただけだよ。」
「約束を忘れるなんて……、ひどい。詠人様って、そんな人だったのね……。」
「……ひどい…。」
この3人が組むとある意味最強だな…。
「あんなドMッ、ほっといて帰ろッー!」
「そうですわね……。」
「…マゾ………?」
美羽が2人の背中を押して帰ろうとしている。
まぁ、自分が忘れてたのが悪いわけなので謝るとする。
「す、すまん。俺が悪かったって……!」
「ふっふっふっー。分かればいいのだよッ。分かればッ。」
そういうやりとりをしていると、居間から彼女が歩いてきた。
「あら……?騒がしくて来てみたら、可愛い3人組ね。詠人くんの、彼女達かしら…?」
3人が驚く。
「…………!?」
第5話へ続く。
お読みいただいて、ありがとうございました。
第5話へ続きます。