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ぐだぐだッ☆  作者: 猫背
2/21

第2話:学校へ…。

第2話です。

part1とpart2をまとめて修正しました。

「じゃあ私達、一足先に玄関に行っとくね……?」


そう言うと、美羽は真一を引きずって階段を下りていった。

うるさい奴らが去り、部屋は静寂に包まれる。

そこで俺は制服に着替えようとし、あることに気づく……。


「あっ、どうしよう……。」


俺は今までの人生で、一度も女性の体を見たことがない……。

そして俺の体は、男の体から女の体に変貌を遂げている。

つまり……、


「何考えてるんだろ…、俺…。しかし、これは自分の体…。いや、でも…落ち着け、俺…。」


そう言っていると、熱い視線を感じた。

ふと、我に返りその方向を見ると、美羽が戻ってきている。

今自分が考えてたことを思い出すと、思わず顔が赤くなった。


「へぇーー……。詠人さんは顔を赤くして、何を考えてたんでしょうかねぇ…?」


「い、いやっ、な、な、何も考えてない!」


「このー、むっつりめぇッ!そういうお年頃ってのは分かるけど、えっちぃコトはダメだと思いまーす!」


「ご、ごめんなさい……。」


昔からこいつだけには、顔が上がらない気がする。


「まぁ、これ付けてッ!」


そうすると美羽が俺にタオルを渡してきた。


「……?」


「顔に巻いた巻いた!」


「あっ、あぁ……!」


大人しく、言う通りに顔にタオルを巻く。


「ちゃんと巻いたよね!?じゃあ、私が着替えさせるからッ!」


「えっー!?」


「何か不満でも……?」


「いえ……。」


「まったく……。今は私がやって、これからのことは学校に行ってから考えましょ!ということで、さっそくー。」


そう言うと美羽は作業に取り掛かる。


「ほぉっー。これは、なかなか……!へぇー……。ふーん…。」


何かジロジロ見られてる気がする…。


「おいっ、美羽!エロ親父みたいになってるぞ……。俺だって一応恥ずかしいんだから…。」


「あっ、ごめんねッ!ついつい…。」


何がついついだと、思いながらも着替えはすんなり終了した。


「よしッ!できたー!」


「あっ、ありがとう……。」


「いえいえー。どういたしましてー。じゃあ、行こうかッ。」


そう言うと、美羽は俺の手を引っ張り玄関へ駆け出した。

玄関でへばっている親友……。

いや…、エロ馬鹿を起こし学校へ歩き始める。


「で…?何でそんな格好しているんだ?」


そう真一が尋ねてきた。


「え?普通だろ……?」


「いや、その格好もありって言えばありなんだがなぁ……。俺としては、女子は女子の制服しか認めんぞぉーー!!」


真一が俺に、抱きついてくる。


「うわっ、おまっ、やめろっ……!」


(ボコっ)美羽が真一を殴る。


「なんで、真一ってそういうことしか頭にないのかなー?」


「あぁーん?俺から女関連のことを取ったら何が残る……?もしかして、美羽、お前妬いてんの……?」


それを聞いた瞬間、美羽は真一をボコボコにした。

きれいな赤い液体が、その辺に……散らばって――――。

これ以上言うのは、自重しとこう……。


「ふぅー……。真一くーん、まだ何か言うことあるかなー…?」


「いえー……。」


女の子なのにあのエロ真一を押さえつけるとは…。

恐るべし美羽パワー。

俺には絶対無理かもしれない……。


「あっ、真一!お前、俺の周り1メートルに入るの禁止な。」


「えっ?詠人お前ツンデレ…?まぁ、そんなこと言われて了承できるわけない……、あっ…、わかった……。」


奴は妙なこと話してたが、すんなり了承したのは、美羽が睨んでいるからだ。

まるで鬼の形相だ……。

この空気に耐え切れず、ふと気になったことを質問してみた。


「そういえば、美羽。俺がこんな体になっても詳しく聞かないよね……?」


「んー?そうだねぇ……。だって、女の子になっても詠人は詠人でしょ……?」


「まぁ、そりゃそうだな……。」


「うんッ!…………、(ボソッ)ちょっと、ショックだったけどね……。」


「ん…?すまんっ、後の方聞こえなかった!」


「な、なな、なんでもないよッ!ほらッ、も、もう学校に着くよー!?」


そう言った後、彼女は少し寂しそうな顔をしたのを、俺は気づかなかった。


「ふーん……。」


真一が何やら納得しているが、スルーすることにしよう。


キンコーンカンコーン


「ちっ、急ぐか!別のクラスってのが悲しいが、放課後にまたお前に会いに来るぜ!」


「来なくていいっ!」


「詠人急がないと遅れるよッ?」


「わ、わかってる。」


急いで教室まで駆け上がる。

ガヤガヤ……ガヤガヤ……。

どうやらまだ先生は来ていないらしい。


「それにしても、このことどうやって説明するか……。うーん…。」


すると声が聞こえてきた。


「…………おはよう………詠人…。…ヵヮィィよ……?」


挨拶?してきてくれた彼女は、同じクラスメートの美鞍凛(みくらりん)

言葉数が少ない不思議系少女だ。

説明したいが、詳しいことはわからない。

他の男子には一切話さないが、なぜか俺には話してくれる……。


「おっ、おはよう……。そして、あ、ありがとう……?」


彼女のペースには、いつも乗ってしまう。

というか、乗らないといけない気がする。


「………。何で…、おんな…のこ……?」


「うん…。それはね、朝起きたら――――。」


説明しようとしてたら、また挨拶が飛んできた。


「詠人様、おはようございます。」


「あっ、おはよう。」


今挨拶してきてくれたのは、神楽坂楓(かぐらざかかえで)

彼女も同じクラスメートだ。

そして楓は、世界に名高い神楽坂グループ財閥のご令嬢。

そのため幼少の頃からエリート教育を受けてきたらしく性格は優しくて美人。

まさに完璧で、才色兼備?ってやつで、男子からはかなりモテている。


「あら……?気のせいかしら…?」


「ん……?」


「なぜだか、いつもの凛々しい姿から可愛くなってるように見えます……。」


「あー、そのことを今、凛に説明しようと思ってたんだけど、楓も一緒に聞いちゃって。」


「えぇ……?」


「…うん……?」


説明しようとしていた、そのときだ。


ガラガラーッ。

ドアの開く音ともに先生が入ってきた。


「こらー!お前ら席つけー!」


何というタイミング……。

説明は後回しにすることにしよう。


「凛、楓、すまんっ!後で説明する。」


そう言って彼女達を自分の席に行かせた。


「出席を取ろうと思うんだが、その前に…。朝倉ー!!」


「はいっ!?」


「お前は、今から校長室に行って来い!」


「えぇっー!?何でですかー!?」


いきなりの校長室行きに焦りを覚える。


「お前何かやらかしたんじゃないか……?詳しいことはあっちで聞け!!」


「は、はい。わかりました!」


仕方なく従うことにした。


「詠人ッー!頑張って怒られてねー!」


気楽そうな美羽の言葉とクラスメートの笑いを後ろに受けながら、教室を後にする。


「ったく。何で朝っぱらから校長室なんだよ……。既に朝から最悪だったけど、今日最悪なスタートじゃん……。」


校長室に呼ばれた生徒は、何かあるという伝説がある。

例えば、可愛い男の生徒には女の制服を強要したり、かっこいい女子には男の制服着せたりなどなどがある。

まぁ、つまり校長は変態なんだ……。

そういうことを思い出しながら歩いていると、すぐに校長室の目の前に着いた。


「はぁ……。覚悟決めるか……。」


そう言ってドアを開ける。


コンコンッ


「どうぞ。」


ガチャッ


「し、失礼します!朝倉詠人、入ります。」


「あなた………。思ったより可愛いわね…。」


「えっ…!?」


「うふふ…。これは決定だわ。」


「な、何がですか……!?」


「も・ち・ろ・ん。女子の制服よ!」


そう言われると予想はしてたが……、単刀直入に言われ驚いた。


「えー!?お、俺、男ですよ!?」


「あら……?今、女の子じゃない?」


「えっ、えぇ…まぁ……。」


「なら、拒否権はないわっ!!それと男言葉禁止ね!!」


「ちょっ……、ま、待ってください!!」


「何?不満?」


「不満だらけですよっ!」


ツッコミが激しくなる。


「じゃあ、あなた退学にするわよ!?」


「ぐぅっ……。」


その言葉を出されると、返す言葉がない……。


「じゃあ、決定ね!今日はそのまま帰りなさいっ!!」


「は、はい…。し、失礼しました…。」


噂には聞いてたが、こんなに横暴とは…。

恐るべし校長……。

というか、どこから情報伝わったんだ…。

情報の出所が気になるが、校長の言ったことは、全て間違いという訳ではない。

俺は、男から女になったのだから……。


「仕方ない。今日はもう帰るか……。」


そして、俺は家に帰った。


ガチャッ


「ただいまー。って、誰もいないけどな……。」


朝とは違って、1人の家……。

静かな午前中……。

やっと1人で落ち着くことができる時間。

自分の部屋のベッドに転がる。


「さて、朝からドタバタで考える暇なかったけど、これからどうしようかな……。ホントにどうしよう……。」


そう考え込んでいると、朝からあった出来事の疲れで、いつの間にか寝てしまった。



第3話へ。

お疲れ様でした。


第3話へ続きます。

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