第17話:経緯。
更新遅れて申し訳ありません…。
「え!?楓…!?」
なぜ、彼女が…。
そう思っていると、楓が口を開く。
「『KV-1』…。正式名称『Kerberos ver.1.00』は、わが社の最新鋭のハンドガンです。」
「わが社…!?」
「えぇ…。神楽坂コーポレーションですわ。」
「っ!?」
あ、あの世界でもトップ3には入ってる会社か…。
楓がお嬢様ってのは知ってたけど、そこまでとは…。
「えっ!?でも、その会社って車や家電とかを販売してるトコだよね…?」
「はい、表向きは…。いえ…、『こちら側の世界では』と言った方がよろしいですわね。」
「こちら側の世界…?」
「そうです。こちら側の世界っていうのは、今いるこの世界です。その対しての裏…。つまり、魔法世界においては、色んな物の開発を行っています。その中に、銃などの武器関連も取り扱っています。」
ということは…、
「ま、まさかっ!?楓も魔法世界の人間っ!?」
「いえ、違いますわっ!私はこの世界で生まれて、この世界の住人です。」
そう彼女は答えた。
しかし、俺の頭には疑問が残る。
「え!?でも…、なぜ魔法世界のことを知ってるの…?」
「それは…。」
彼女が答えようとすると、今まで黙っていた凛が口をはさんできた。
「楓は…、正義感の強い人……。」
「…?」
「だから…、最近の出来事を…許せない……。」
「え…?」
凛は何を言ってるのだろうか…。
「どういうこと…?」
素直な疑問をぶつける。
「楓は…、見えているの……。」
「ん?何が…?」
「あの…、黒い奴らを…。」
「…!?」
意外な答えに、俺は驚いた。
そしてすぐに楓の方を振り向く。
だが、彼女は顔を伏せていた。
それが答えとすぐ分かったが、彼女の口から本当か確かめたかった。
「楓っ!本当かっ!?」
嘘であってほしいと思った。
大事な人があれを見たというのは…。
しかし、
「はい…。」
楓は暗い表情でそう答えた…。
「まさか…、見えていたなんて…。」
「詠人…。楓は…あなたより…、大分前に…奴らを見ていたの…。」
凛がそう俺に話かける。
「でもっ!今まで一緒に帰ってて、そんな素振りは見せなかったよな!?」
「えぇ…。」
楓がそう頷き、口を開く。
「そう見えないように…、していましたの…。」
「くっ……。」
色んな事が頭を錯綜して、俺は黙り込んだ…。
すると、
「私は…、楓に…全てを話したの…。」
そう凛は言った。
そして、その経緯を全て話してくれた。
約3ヶ月前、凛が楓と下校していたときだったらしい。
楓が急に怯えだした。
凛は楓の見ている方向を見て驚いた。
そこには、俺を襲った黒い奴らがいたからだ。
そして、凛はそれを見た瞬間すぐに理解し、彼女を落ち着かせた。
さらに、彼女に全てを教えてあげた。
奴らが何者かということ。
自分が奴らを退治していること。
魔法世界が存在しているということ。
など…。
そして、俺が奴らに狙われているということを…。
俺はそれらを理解し、落ち着きを取り戻した。
そして、また質問する。
「ということは、楓にも魔力があるの…?」
「楓に…魔力はないよ…。」
「え!?じゃあ、何で見えてるの!?」
「詳しいことは…、分からない……。でも……。」
凛は言いにくそうな顔をしている。
すかさず、俺は言葉を発する。
「でも…?」
「考えられる理由として……、膨大な魔力の近くにいたから……。その……。影響を…受けたのかも……。」
膨大な魔力…。
そうか…。
「ということは…、俺のせいか……。]
俺は落ち込んだ。
「許してもらえないかもしれないけど…。本当にごめん……。」
そう謝ったが、すぐに楓が口を開く
「詠人様っ!」
「…?」
「私っ、見えて後悔なんかしていませんっ!」
「…!?」
「そのことは気にしていませんし、むしろ嬉しいくらいですわっ!」
楓は笑顔でそう言った。
「え…!?でも俺のせいで…怖い目に…。」
「えぇっ!でも、詠人様のお役に立つことができます!その一歩として、あのハンドガンを作りましたの…!」
その言葉を聞いて…、自然に涙が出てくる…。
「ごめん…、そして…、ありがとう…。」
その後、長い時間涙を流していた…。
そして、しばらくして…。
泣き止んだ俺に凛が口を開く。
「さぁ……、詠人…。落ち着いたようだから…、今から…、そのKV-1の訓練……!」
続くっ!!
お疲れ様でしたっ!
次話もよろしくお願いします。