第16話:意外。
更新遅くなりました。。
俺は、いつものようにベッドで目が覚めた。
あの後、ベッドに寝転んで考え込んでいたら寝てたみたいだ。
時計は午前7時を指していた。
「うん、朝だな…。」
視界の中に黒い銃があるが、見てみぬフリをしながら独り言を吐く。
「今日も頑張るかっ!」
独り言を吐いたのはいいが、やはり気になって銃を見てしまう。
「……って、頑張れるかーいっ!?」
銃が気になって仕方ないせいか、ノリツッコミもしてしまう始末。
「はぁ…、どうしよう…。……、まぁ仕方ない…。」
あきらめモード全快で学校に行く用意を進める。
銃どうしよう…。
「と、とりあえず何があるかわかんないし、持っていくか…。」
そう言いながらバッグに銃を詰め込み、俺は家を後にした。
―――学校―――
そして、教室の自分の席に着く。
「さて…、凛はもう来てるかなぁ…?」
そう言いながら教室を見渡す。
が、姿が見えない。
どうやら、まだ来ていないらしい。
「うっ…。銃のこと詳しく聞こうかと思ってたんだけどなぁ…。」
そう1人で呟いていると、
「詠人っ…、違っ、千尋おっはよーっ!」
この声は…。
「美羽さんおはようございます。」
男らしい口調を使わないことにも慣れてきたな…。
「うん、よろしいっ!」
「な、なにがっ!?」
「女性らしくなってきたじゃないかね、ワトソン君。」
「またワトソン君か…。もう使わねぇっ!」
「ごめんよっ、ワトソン子さんっ!」
こ、こいつ…。
無理やりワトソン君を女の子にしやがった…。
それに対するツッコミを返そうとしていると、
―――キンコーン―――
始業のチャイムが鳴った。
それと同時に先生が入ってきて、美羽は急いで戻っていった。
ふと、また教室を見渡してみる。
「あれ…?珍しく凛と楓来てないな…。」
それから授業が始まったが、結局凛と楓は終日学校に来なかった。
そして、放課後の帰り道。
「凛と楓、結局学校来なかったなぁ…?」
そう美羽に話しかける。
「そうだねー…。凛ちゃんと楓ちゃん来ないとテンション上がらないよぉ…。」
「あの2人から何か聞いてないのか…?」
「うん…。メールしたんだけど返ってこない…。」
「珍しいな…。もしかしてっ!美羽っ、お前嫌われたんじゃないのか。」
そうからかってみた。
「えぇーっ!?も、もしかして…。」
「え!?冗談で言ったんだが、思い当たる節があるのか…?」
「大したことじゃないんだけど…。いつもお昼休みに、弁当のおかずちょくちょく奪ったりー、毎日お菓子もらったりー、うーん…他は……。」
「こ、こいつ…。食べ物のことしか頭にないのか…。」
そう呆れていると、もう家に着いた。
「おっ、もう家の前じゃん。じゃあ、また明日なっ!」
「うん…。また明日っ。他は…っと……。」
まだ考えてるんだな…。
美羽はそう呟きながら自分の家に入っていった。
「さぁ、俺も家に入るか…。」
そう言いながら鍵を開けようとする。
しかし、
「あ…れ…?鍵が開いてる…!?ま、まさか…!?」
俺を襲撃してきたあの黒い奴が脳裏に浮かんだ。
そして、急いで鞄から銃を取り出す。
「取り出したはいいが、使い方って引き金引くだけだよな…。でも……。この前みたいに、戦う術を持ってないわけじゃないんだ…。やってやるっ!」
そう自分に言い聞かせながら、ドアノブに手をかける。
―――ガチャッ―――
ドアを開けるとともに、銃を構える。
と、言っても映画みたいな見よう見まねだ。
玄関を見渡す。
「玄関は異常なしか…。他は…っと…。」
引き続き1階を警戒しながら歩いてみるが異常はないようだ。
そして、2階に上がろうと階段に近づいた時だった。
―――ガタンッ―――
2階から物音が聞こえた。
「な、なんだっ!?」
急いで階段を駆け上がる。
そして、物音の鳴ったと思われる場所の前に着く。
そこは、
「俺の部屋…?」
物音の鳴ったところは、自分の部屋の前だった。
「油断は禁物っと…。」
気を引き締めてドアを開ける。
「誰だっ!?」
銃を構えながら、勢いよく部屋に入る。
すると…、
「ハロー…、詠人…。」
「こ、こんにちは!詠人様っ!」
なぜか凛と楓がいた。
「え…!?」
不意に疑問の言葉が出る。
「な、何で俺の部屋に2人がいるの…?」
すると、凛が口を開く。
「鍵…、開いてた……。」
「え…?閉め忘れてたとか…?」
「ううん……。私が……開けた……。」
それを聞いて楓が慌てて口を挟む。
「わ、私は止めたんですけどね…!」
「用事…、あったし……。」
言いたいことはあったけど、まぁいいか…。
「用事って…?」
「うん…、それ……。」
凛はそう言いながら俺の手元の物に指を指す。
俺はその方向に視線を落とす。
「あっー!?」
忘れてた…。
すぐに、頭によぎる質問を一気に言う。
「こ、これって何!?っというか、あの赤い宝石って…!?なんで、俺に渡したの…!?」
そう俺が慌てていると、
「それは、『KV1』。正式名称『Kerberos ver.1.00』です。」
と楓が答えた。
意外な人からの答えに驚く。
「な、なぜ楓が知ってるんだ…!?」
「だって、それ…。私が作りましたもの!」
ん…?
楓が作ったんだな。
なるほど…。
楓が作ったんだな…。
「って、えっー!?」
続く……。
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