第13話:ミスコン…。
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ミスコン…。
俺はこの前まで男だったんだぞ…。
「な、何で私が選ばれたのっ!?一応転入生でまだ数日しか経ってないんだよ…?」
率直な疑問をぶつける。
「それはね、たぶん千尋が可愛すぎるからだよッ!しかも、そのスタイルッ!女子の私から見ても羨ましいもん…。」
と、美羽は答えてくれた。
「な、何か複雑だな…。」
「褒め言葉なんだし、素直に受け取っとけばいいんじゃね…?」
そう言いながら近づいてきたのは真一だった。
「ていうか百戦錬磨の俺から見てもお前は可愛い。だから、お前は俺の嫁っ!」
意味不明な言葉とともに、さりげなく俺の肩に手を伸ばしている。
「しかもスリーサイズは…っと……、ぐはっっ…!」
真一が全ての言葉を吐き出す前に、俺の鉄拳が顔に命中する。
「私の周り1メートル以内には、入らないで下さいってこの前言いましたよね…?」
「ふんっ、そんな約束を交わした覚えは……。」
「真一くーん…?」
妙に笑顔の美羽が、真一を睨みつけている。
「そ、そういえば約束したなっ!ていうか、お前らっ!俺に対する扱いひどくないかっ!?」
俺と美羽が2人息が揃ったように言う。
「うるさいッ!このエロ真一ッ!」
「ぐはっ……ひどい…!」
そう言いながらその場に崩れ落ちる。
そして、騒いでいると楓と凛が近づいてきた。
「あッ、凛ちゃんと楓ちゃんッ!こいつに近づいたら汚れるから離れてッ!」
美羽がノリで注意する。
結構言ってるなぁ…。
「え!?汚れてしまいますの!?」
「……エロスの人……怖い………。」
2人もそれをまともに受け取るのか…。
「俺ってそういう風に見えてるのか…。」
そう言いながら真一は、さらにその場でヘコんでいた。
「ところで、詠人様…あっ、千尋様!ミスコン選出おめでとうございます。」
「……おめでとう…。」
「あ、ありがとう…!で、でも、実は言うと辞退したいなぁーとか思ってるんだよね…。」
俺のその言葉を聞くとみんなが驚く。
「だ、ダメだよッ千尋ッ!私たちのためにも絶対にNo.1になってッ!」
と、美羽が必死に言ってくる。
「な、なんで、そんなに必死なのっ!?」
「…千尋……、…特典を…知らないの……?」
「と、特典…?」
何だそれ…。
そう思っていると楓が口を開く。
「千尋様、特典っていうのは2つあります。1つ目は、ミスコンNo.1を輩出したクラスには何かしらのご褒美があります。2つ目は、ミスコンNo.1になった方には、校長先生が好きな願い事を1つ叶えてくれるそうです。」
「っ!?こ、校長は一体何を考えてるんだろう…。というか、さすが校長先生と言った方がいいのかなぁ…。」
あの校長なら魔法のことにも関わってるみたいだし、普通にやりかねないな…。
「ちなみに去年のミスコンNo.1のクラスにはテストの点数ALL+10点ずつだったらしいよッ!」
と、美羽が笑顔で言ってきた。
こいつが必死なのはそのせいか…。
いつも赤点ギリギリだもんな……。
「でも、教育者としてそれは大丈夫なのかなぁ…。」
そう俺が言うと、みんなが声を揃えて言う。
「あの校長ですから…。」
と……。
と、まぁそんな風な1日で放課後になった。
すると、凛が近づいてくる。
「……千尋、今日は……、そ、その……一緒に…帰ろう………?」
「うん、いいよ…?他の2人も誘ってくるね…?」
「だ…、だめっ…!」
凛が大きな声でそう言ってきた。
初めてそんな大きな声聞いたな…。
「ちょっと…、2人で……話したいことあるから……。」
「わ、わかったー…。じゃあ、帰ろうか?」
お疲れ様でした。次回のUPもできるだけ早めにしますので、これからもよろしくお願いします。