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ぐだぐだッ☆  作者: 猫背
11/21

第11話:正体。

遅くなってすみません…。



「うん………?」


目が覚めると午前4時をまわっていた。


「頭がボーっとする……。って、あれ……?ベッドの隣が暖かい…?」


その暖かい場所を見てみる。


「み、美羽っ!?」


そこには美羽がいた。

そして、その驚いた声で美羽が目を覚ます。


「ぅん……?あッ、詠人ッ!大丈夫ッ!?」


「何で、美羽はここで寝て……、って…あっ!?」


思い出した…。

黒い影が襲ってきて変な壁が出て、白い閃光が黒い影を貫いたと思ったら、気を失ったんだっけ…。

美羽には、迷惑かけたな…。


「どうしたのッ!?」


「あっ、ごめんっ、ちょっとボーっとしてた。色々とありがとう…。俺をベッドに運ぶの大変だったろ…?」


「えッ!?余裕だよッ!詠人軽かったもん。日頃鍛えてる成果だねッ!」


軽かったのか……。

こいつ、日ごろからどんな鍛え方を…。

って、そういうことはどうでもいいか…。

そして、自分の部屋を見渡す。


「異常なしか…。」


部屋は元通りの静寂に包まれていた。


「何か言った…?」


「えっ、いや、なんでもないっ!」


「そうなんだ……?そういえばッ!」


「な、なに?」


「すごい音聞こえたんだけど、何だったの?」


ま、まずい…。

何て言おうか…。


「えーと……。えーと…、あっ!……、ウワーっ、ナンカ、アタマイタクナッテキタナー!」


やばい、棒読みになった気がする。


「だ、大丈夫ッ!?」


…………。

演技成功のようだ…。


「ちょっと寝れば大丈夫だと思う。もう夜遅いから、美羽も家に帰って寝るべし。」


「もう1人で大丈夫なの…?」


「大丈夫っ!今日はありがとうなっ!」


「わかった…。じゃあゆっくり寝るんだよッ!」


そう言って美羽は帰っていった。


「何とか誤魔化せたようだな…。………。まぁ…、寝るか……。」


そして眠りに落ちた。





翌朝。



「ふぁー…。よく寝たなぁ…。」


時計に目をやると、お昼をまわっていた。

しかし、今日は土曜日なので学校は休みだ。

そう思っていると違和感に気づく。


「ん……?」


ベッドの隣が暖かい…?

またか…と思いながら、横に目を向けてみる。


「えっ!?蘇芳さん!?」


「あら…?おはよう、詠人君。」


「お、おはようございます。い、いつからそこにいたんですか……?」


「ついさっきよ。」


なぜまたベッドの中に…。


「な、なんでベッドの中に…?」


「寝顔が可愛かったから、つい…。」


そう言いながら、きれいな瞳で顔を見てくる。

思わず顔が赤くなったが、昨日のことを思い出す。

聞かなきゃ!


「そ、そういえば…!あのっ、聞きたいことが―――。」


俺が全てを言う前に、蘇芳さんが口を開く。


「あなたの聞きたいことはわかってるわ……。早く来れなくてごめんなさい…。」


「い、いえ……。」


「ホントにごめんなさい…。それで、何から聞きたいかしら…?」


真剣な面持ちでそう聞いてきた。


「えっと…。」


順番どおりに聞くか…。


「黒い影からお願いします。」


「わかったわ…。その黒い影というのは、たぶん賞金稼ぎ『エル・スール』の魔法だと思うわ。魔法と言っても、正確に言うと召喚獣に近いものね…。」


「召喚獣ですか…。って、賞金稼ぎって!?」


だいぶ現実とかけ離れた話になってきたな…。

蘇芳さんが続いて口を開く。


「対象者の魔力を頼りに、探索の魔法があるのだけれど、あなたのいるこの世界では威力が落ちてしまうの…。だからあなたのいる場所が探しづらい。そのために、私のいる世界では、誰かがあなたに賞金を懸けてるの…。」


「な、なるほど…。でも、性別を変えたことによって、その魔力は消えたんじゃ…。」


「そうね…、そのつもりだったわ……。どうやってあなたを探し出したのかは調査中よ…。」


「わかりました…。次なんですが、白い閃光は…?」


色々と考えることはあるが、今は次々に出てくる疑問をぶつけていく事にする。


「あれは、あなたのいるこの世界の、私たちの協力者の攻撃ね。」


「きょ、協力者ですか!?」


「えぇ…。私たちが助けに行こうとしても、色々な事情があってどうしても遅れることがあるの…。その時のための対策として、協力してくれるこの世界の人間を雇ったの。その人はそのうち紹介するわ。」


俺のいる世界でも、あんなもの使える人がいるのか…。

次を聞くか……。


「了解です…。次は…。あの半透明の緑色の壁は…?」


「それは、あなたが使った魔法よ…。」


「えっ!?そんなっ!?」


「魔力はほとんどないはずなのに、それでもあなたは奥底に眠る魔力を使って魔法を発動させたみたいなの。どうやったかは、原因不明としか…。そして、あの魔法は…。」


「……?」


「あの魔法は…、初めてみる魔法よ…。私たちのいる世界で調べたんだけど、文献にしか記録が残ってなかったわ…。」


「え…?それって、今はないってことですか?」


「そうなの…。あの魔法は『アースガルズの城壁』。発動者に対して向けられる、あらゆる物からの干渉を完全に遮断する、ランクAに分類される魔法よ…。」





続く。



次は年内にUPの予定です。

(遅くなったり早くなる場合があります。)

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