第1話:戸惑い。
この作品はフィクションであり、登場する人物、場所等実在のものと一切関係ありません。
それと作者は、小説を書くのが初心者です。正しい日本語表記などが出来ていない可能性があります、ご注意ください。
俺の名前は、朝倉詠人。
私立エルフィア学園に通う高校2年生だ。
家族は3人家族で、両親は海外勤務で家には1人で暮らしているようなものだ。
特技は特になし。
趣味はサッカー観戦とかetc…。
身長は160センチ…。(小ッさいとか思った奴表出ろッー!!!!)
そんな俺なんだが、気がついたら真っ白い場所に立っていた。
何もないけど、なぜか懐かしいと思える。
それに、いるだけで何だか暖かくて心地よい。
これは夢か…、現実か…、それすらもわからなかった…。
しかし、その時だ。
誰もが見とれてしまうような長い黒髪の彼女は、俺の前にふと現れた。
「ふふっ…、見つけたわ…。」
彼女はそう言うといきなり、自分の唇を俺の唇に合わせてきた。
お、俺にとって初めてのキス…。
ファーストキスが…。
いきなりのことで戸惑ったが、こんなこと許したらダメだと思い、すぐに彼女を自分から引き離す。
「い、いい、いきなり、どど、どうしてあんなことを…?」
「不思議そうな顔をするのね。まぁ、仕方ないわ。でも私にとって、あなたは…。」
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポー…………
「あら…?もう時間みたいね…?では、また会いましょう…。」
そう言い残し彼女は消えていった。
そして、俺は目が覚めた。
「ふぁー…。おかしな夢だったな…。あのきれいな女の人誰だったんだろう。というか、何で俺にキスなんか…?」
ピンポーン。
チャイムが鳴っている。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。
「あー、もううるさいなぁ…。せっかく余韻に浸ってたのに…。ガキじゃないんだから、あれ辞めてくれないかなぁ…。」
2階から階段を急いで駆け下りる。
すると、よく聞く声が聞こえてくる。
「詠人ー!起きてるかー!?」
この声とともに、チャイムを連射している奴と言えば奴しかいない。
ガチャッ
ドアを開けるとそこには、幼馴染みの男が立っている。
「この俺様、三木真一を待たせるとは、いいー度胸だな!俺様がチャイム鳴らしたらすぐに出ろって、いつも言ってるだろ。まったく…、お前って…奴は……?」
「どうしたんだ…?」
「え…?あっ、す、すみません…。というか初めましてですね。僕、真一って言います。あいつにこんな美少女と住んでいるなんて聞いてなくて…。本当にすみません…。」
「え…?どうしたの……?」
「あ、あいつまだ起きてないんですね。お、俺が起こしてきます!!」
すると奴は俺の寝室のある2階に、顔を赤くし物凄い勢いで上がって行った。
「まったく真一の奴、寝ぼけてるのか…?」
俺も仕方なく真一の後を追うことにした。
「いねぇ…。」
2階の自分の部屋に入ると、真一がそう呟きながら部屋を漁っている。
おかげで物が散らかり放題だ…。
「まったく…、俺の部屋荒らしやがって、寝ぼけてるのか?」
「寝ぼけてなんかねぇよ…。お前と一緒にするな!って、……んーーー!?」
真一が驚いている。
17年間でこんな顔を見たのは初めてで少し戸惑った。
「え……?あのー、真一さんー…?」
「そこの美少女…。今何て言いました?」
美少女?と思ったが、俺に話しかけてるみたいなので一応返事を返す。
「え?あのー………?」
「その前!」
「俺の部屋を荒らすな?」
「………。俺の……。」
真一が呆然と人の顔を見ている。
「お、お前…。鏡見てみろ…。」
「え…?」
「いいから、いいから。早く見ろって!」
俺の肩をつかみ真一が鏡の方に向かわせる。
すると、そこには自分が映ってるはずなのに、美少女が立っていた。
「えぇー!?」
自分ではないと目を凝らしてみるが、その姿は自分だという確信がつく。
いつものパジャマに髪型、それに低い身長……。顔にあるホクロの位置。
すべてが自分に当てはまる。
さらに寝起きで気づかなかったが、声まで可愛い声に変わっていた。
「こ、これ…、俺なのか…?俺だよな…真一……?」
「た、たぶんな…。それより一応聞いてみるが…、お前一体どうしてそんな姿に?」
「わからない…。昨日寝る前に鏡見たけどこんな姿じゃなかった…。それから寝てて夢みて…。って、あーー!?」
夢の内容が頭を過ぎった。
「どうしたんだよ?そんな大きい声出して……?」
「俺、夢の中できれいな黒い長い髪の女の人にあったんだ。」
「その人がどうかしたのか?」
「夢の中でキ、キスされた…。」
「え?そして…?」
「それだけ…。」
「……。まぁ、原因不明だな…。それは、それでいいんじゃないか?」
真一は俺の話を適当に流した。
「よくない!お前人事だと思って、適当に言うな――――。」
俺の言葉が全部出る前に、真一が言葉を発する。
「それよりさ。お前近くで見たらかなり可愛いよな。」
真一が顔を近づけてくる。
「そ、それ、どういう意味だ……!?」
「若い男女2人が部屋に2人きり……。わかるだろ……?」
そう言うと俺はベッドに押し倒された。
「ちょ、おま……。何考えてんだよ!?」
「年頃なら、わ・か・る・だろ……?」
そう、こいつ真一は女好きなのだ。
可愛い人には、なりふり構わず声をかけている。
さらにイケメンな上に女子からは結構モテテいる。
普段俺と接する時は本性を見たことがないが、これがこいつの本性か……。
俺は必死に抵抗するが、女の体になっているために普段の力が出せない。
女の人ってこんなにもか弱いのか…。
「お前、親友に何するつもりだよ…!?」
「親友…?そうだな…。ならいいだろ……!?」
「おまっ…、ホントにやめろって……。」
これはリアルにやばい…。
誰かヘルプミー……!!
そう思っていると、声が聞こえてきた。
「て、てて、天誅ーーーーーー!!!!!」
そう声が聞こえてくると、俺の上に覆いかぶさっていた真一が吹っ飛んでいった。
鮮やかな飛び蹴り…。
そして見事な程に顔にヒット!
誰か知らないが、よくやった。
「ぐふぅ…。不覚……。」(がくっ…。)
当然の報いを受けると、真一は倒れた。
そして、見慣れた顔が近づいてくる。
「大丈夫!?怪我はない!?何もされなかった!?」
そう声をかけてくれた恩人の名前は、桜木美羽だ。
こいつも幼いころからの幼馴染みで隣の家に住んでいる。
「何とか大丈夫…。美羽助かった!!」
「良かったぁ……。あのエロ真一は、私がぶっ飛ばしてやったから安心してね!って、私の名前知ってるみたいだけど、あなた誰…?なんで詠人の部屋に……?」
「やっぱり、そういう反応になるよな……。…俺だよ、俺!朝倉詠人!!」
「えっ?いつからそんな姿に……。ま、まさかッ!詠人に女装趣味があったなんて驚きだよ!?」
「ちっがーう!そんな趣味は断じて―――。」
美羽は俺の言葉を遮ってきた。
「わ、私邪魔だったかしら……。詠人と真一がそういう関係までいってるなんて知らなくて。そういうプレイだったのかしら…。」
「あー、入っちゃったよ。妄想モード…。」
5分経過………。
「私まったく早とちりしちゃって……ホントにもう…!」
「あの……。」
10分経過…。
「詠人の家のドアが開いてたから、怪しいと思って勝手に入って来ちゃったけど…。今度からちゃんとチャイムしてからにしないと……。」
「あのー……。」
20分経過……。
「あと人の部屋に入るときはノックもかな…。私ったらおっちょこちょいなんだからぁ…。」
「………。」
30分経過………。
「あのー?そろそろ、いいですか?美羽さん……。」
「んー…?あっ、ご、ごめーん詠人!私ったらまた考えこんじゃって…。そういえばその女装みたいな格好の答え聞かせてもらってないぞー!」
「それは、美羽が妄想モードはいっちゃったから――――。」
「何か言ったー?」
妄想モードは俺が勝手につけた名前で、美羽に聞かれたらどうなるかわからない…。
でも確実に真一のようになりそうな気がする…。
「いえー、何でもないですッ!!それで、あのー、朝起きたらこんな姿になってて、かくかくしかじか……。」
「なるほどね!それであのエロ真一に襲われてたってことね…。でも…、こんなに可愛い姿になっちゃって……。えへへ…。」
美羽が抱きついてくる。
「うわっ、おまっ。抱きつくなー!」
「いいじゃん、いいじゃん!別に女の子と女の子なんだしー。減るもんじゃないしょ?もしかして照れてるー?可愛いーw」
「ばっ、馬鹿!照れてねぇよ!可愛いとか、言うな!」
「あっ、やばーい!もう学校に行く時間だよー!!早く支度して!!」
うっ、こいつのペースにはいつも乗せられてる気がする……。
「そういえば俺、今女の子の体なんだっけ……。制服どうしよう…。まぁ、普段通り男用の制服で行くか!」
第2話へ。
生暖かく見守って読んでくれたら嬉しいです!
これから頑張りますのでよろしくお願いします。
第2話へ続きます。