表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔族を蝕む聖剣の光  作者: うさぎボーイ
第一章 「その魔族が聖剣を手にするまで」
10/141

「大地の剣」

「くっ!」


 この俺を玩具にして楽しんでいる奴を、これ以上見過ごしてはいられない。


「≪大地の剣に従い 敵を穿つ弾丸となれ≫!」


 ここで俺は、先ほどとはまた違う呪文を唱えた。剣先を前方に突き立て魔力を注入し、徐々に剣に魔法の岩を纏わせていく。


 と、ここまではさっき唱えた呪文と同じだが、ここからが特異点。


「はァッ!」


 俺は剣を床に向かって真下に思いっきり振り下ろし、纏った岩を衝撃を以て粉砕する。しかし粉々になった岩々は地面には落下せず、空中で漂い続けている。


 この浮遊する岩こそ、この呪文の最大の武器だ。見るとこれらの岩は、それぞれ先端が非常に尖った形状をしており。その特性から刃の代用となり、その一つ一つを次に込める魔力で一斉に飛ばせば――。


「いけぇッ!」


 ――それらは逃げ道のない見事な攻撃網を形成し、敵を強襲する。この攻撃には殆ど隙が無く、手早く撃てるため非常に使い勝手が良い。そして威力も申し分ないときている。


 まさにこれは、現地点における俺の最強の魔法だ。無数の岩の雨は、ファランクスに向かって次々と降り注いでいく。


「早いッ!瞬間移動では避け切れないか」


 そう判断したファランクスは大剣を盾にし、迫りくる岩の雨から自らを守る。大剣が防護している範囲は非常に広く、ざっと見ても八割方の岩が無に帰しているのが分かる。


 だが、命中している部分にはしっかりと傷を与えられているようだ。主に腕と足元に岩の切っ先が触れている。


「ぐぅ……ッ!」


 この激しい痛みが、徐々に守りをこじ開けていくのだ。最初はそれほど効いていなくても、攻撃を受けている時間が長くなれば長くなる程、痛みによって守りの手はその意志とは関係なく弛んでいく。


「まだまだァッ!」


 そこへ、更に追い打ちとして呪文を重ねて詠唱することで、終わらない棘地獄が始まる。


「≪大地の剣に従い 敵を穿つ弾丸となれ≫!」


 重複する呪文。


「なるほど、中々だ……ッ!」


 大剣の後ろで踏ん張りながらそう呟くファランクス。あのファランクスを防戦一方に持ち込めている。


 追い込みは上々だ。あとはこのまま押し切ることができれば――。


「……しかし、貴様はまだ魔族の本領を発揮していない」


「結局その岩の弾丸は、貴様の所持しているその鈍が生み出したもの」


「貴様自身の魔法とは呼べない」


 痛いところを突いてくる。そう……これらの岩魔法は、全て大地の剣であるグランの力を借りて行使しているもの。


 俺一人では、この強力な呪文を扱うことはできない。グランの魔力と、俺という器が合わさることで初めて大地の呪文は生まれるのだ。


「言ったはずだ……我は貴様に期待していると」


「ふむ……そうか、その剣があるから貴様はその剣に頼るのだな」


「ならば――」


「――へし折ってしまおうか、そんなもの」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ