表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

そうしてお姫様は、

ラミアの嘆き

作者: 東亭和子
掲載日:2017/07/08

 女は静かに涙を流した。

 そうして目の前の物体を見つめた。

 それはかつて人であったものの成れの果て。

 冷たくなった体はもう動くことはない。

 両手を投げ出し転がっている。

 少し前まで、その人は動いていた。

 生きていた。

 抵抗して嫌がっていた。

 それを殺したのは女だ。

 女は生きるために殺した。


 仕方なかった。

 そう自分に言い聞かせたのは何度目だろうか?

 そんなことも分からなくなるくらいに人を殺した。

 何百年も生きてきた。

 きっとこれからもそうやって生きていくのだろう。

 それがとても悲しい。

 どうして普通に生きていけないのだろう?

 人と同じような外見なのに。

 何故、人の血がほしいのだろう?

 水ではこの飢えは満たされない。

 いつから自分はこうなってしまったのだろう?

 もう記憶にないほど遠い昔はまだ人だった気がした。

 家族がいて、友達がいて、恋人がいた。

 いつから自分は化け物になってしまったのだろう?

 もう覚えていない。


 女は静かに涙を拭う。

 いつまでもここにいてもしょうがない。

 次の獲物を探さなければならない。

 人を殺したくないが、お腹がすくから狩りをする。

 我慢なんて無駄なことは過去にした。

 だから無意味なことはしない。

 本能のままに狩りをするしかない。

 女はため息をひとつこぼすと暗闇の中に消えて行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ