表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

序章

 はじめまして、咲妃と申します。

 頑張って連載していこうと思いますので、『キラ 〜輝けるもの〜』をよろしくお願いします。


「ねえ、どうして人は死んじゃうの?」


 それは、まだ幼い頃のこと――……。

 早くに両親を亡くし、自分たちを育ててくれた祖母の膝の上で、何気なく問いかけたことがあった。

横では、妹がスヤスヤと気持ちよさそうに寝息をたてている。

「っ!」

 自分の問いかけに、祖母は驚いたようだった。

 髪をやさしくなでてくれていたその手も止まる。

「おばあちゃん?」

 だがその頃の自分は、祖母がどうして驚いているのかわからなかった。

 そのぐらい、自分は何も知らない幼い子供だったのだ。

「どうか、したの?」

 上を見上げてみれば、祖母がわずかに目を見開き、固まっていた。

 そのことがとても不思議に思えて、自分は祖母の膝の上で首を傾げた。

 祖母は、その声にハッとしたようだった。

 だが次の瞬間には、いつものやさしい祖母に戻って、その顔をくしゃくしゃにする。

「ううん、何でもないよ」

 自分の髪をなでてくれながら、目尻のしわをさらに深くする祖母。

 その顔は笑っているようにも、泣いているようにも見えた。

「どうして、人が死んでしまうのか。きっと、それはねえ……――」

 祖母は、どこか遠くを見るような眼差しをして、自分に囁きかけたのだ。

 

 しかし今はもう、祖母が何とこたえたのか覚えていない。

 そしてそれは今の自分にとって、さほど重要なことではなかった。



 この世界には、魔導士とよばれる者たちが数多く存在している。

 彼らは分野を問わず、あらゆる面で多大な影響を及ぼしていた。

 魔導士とは、今やなくてはならない存在なのだ。

 しかしその裏で、魔術をよからぬことに使う輩が少なからず存在することも、また事実なのである。

 そういった者は、あとをたたない。

 そのため、魔導士には厳しい掟が定められていた。

それらの項目は、三十項目以上に及ぶという。



 第一条

 一度死した者の其の魂を現世によび戻すこと、如何いかなる理由をもってしても、これをここに禁ず。

 これ即ち、最大の禁忌なり。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ