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ラブゲッツ  作者: キョウ
9/9

恭介ノ章3 ーあなたの瞳に暴走モードー

白坂美樹、雪村レイラ、そしてポンタという犬と出会ってから三日後。

夏休みの彼には関係ないが世間は日曜日だった。


この空白の2日間は早朝の散歩からミツバ図書までの日課は封印され、恭介は家族で旅行に出かけていた。

日焼けした体ヒリヒリと痛むが、それ以上に大変な事はこの暑さ、、、。

家にいる時は扇風機を回しているが、やってくる風も生ぬるいこの状況に耐えきれなくなり、旅行帰りの疲労した体を起こして久々の早朝散歩に向かった。

真夏の朝、早朝といえ20度を簡単に越えていたが湿度は低く、むしろ心地よさすら沸いていた。

恭介はいつものように回り道をしてミツバ図書へ向かう予定だったが、途中で知り合いに会ってしまった。


「あら、明智さん。お早うございます。」


白坂美樹はポンタと共に立ち止まり、優雅にお辞儀した。


「偶然だね、お早う。」


恭介も挨拶を返し、しゃがみこんでポンタの頭を撫でる。

ポンタは三日前と同じように尻尾を振り回し、恭介はとても癒された。

美樹クスクスと笑い、恭介を公園へと誘った。


「いやぁ、こう毎日暑いと嫌になるね~」


「そうですか?私はこの澄んだ空気がとっても好きなんですよ?」


恭介と美樹は三日前と同じベンチに腰掛け、たわいもない話をしていた。

恭介には美樹に聞きたかった事があったが、どう聞いていいものか解らず考えていると、美樹の方から尋ねてきた。


「家族で旅行ですかぁ、いいですね~」


「白坂さんの所はどっか行かないの?」


「うちは両親共忙しくて、、、でもレイラちゃんと毎日お喋りしてたからすごく楽しいですよ?」


「あぁ、あの金髪の彼女か~。」


未だに何の感情なのか解らない気持ちを抱え、早く解決したい恭介は雪村レイラと話してみたかった。


「この前は話せなかったけど、今度会えたら話してみたいよ。」


美樹は「う~ん」と唸り、右手を顎にあて、考える人のポーズになった。

恭介は美樹が何を考えているのか解らず、不思議に思っていると、美樹が決心したかのように顔を上げ、恭介に詰め寄った。


「明智さんは彼女を見てどう思いました?」


恭介は突然の事にたじたじになりつつ、疑問系で返した。


「どうって、、、いや普通に可愛い女の子だなぁと、、、」


「本当にそれだけですか!?」


美樹の物凄い迫力にコクコクと頷く恭介を見て、美樹は「ふぅ」と一息入れた。


「それじゃあ決心して話します。レイラちゃんは、、、」


何故かそこで溜める美樹、恭介はゴクリと生唾を飲み次の言葉を飲んだ。


「とーおーおーおーおーおぉぉぉっても!可愛いんです!」


「、、、はい?」


「もう何から何まで可愛いんです!あのうるっとした瞳、鮮やかな金髪、透けとおるような白い肌、そう、彼女は現代の生きる女神!そう女神です!世界三大美女のクレオパトラさんなども裸足で逃げ出すような、、、!何故彼女が某アイドルグループの一位にならないのかは人類最大の謎!あぁ可愛い、抱きしめたい、君の瞳にフォーリンラーヴ!」


突然発狂した美樹に対し、恭介の脳内は全力で警告音を発していた。


(まさかの暴走モード突入ー!!!???)


更に三分程続いた演説がようやく終わり、ようやく終わったかと思った暴走モード、美樹は笑顔で恭介に向き直った。


「と、いう訳でレイラちゃんを幸せにして下さいね?」


「、、、え?」


まだ終わっていなかった。


「結婚は絶対ハワイがいいと思うんですよー」


「あの」


「純白のドレス、あぁ、、、考えただけでヨダレが、、、」


「ちょっと?」


「お色直しは最低15回として、あ!そうだ、デジタルカメラ買わなきゃ!」


「もしもーし」


「チャペルで二人は愛を誓いあうんです!あなたは病めるときも健やかなるときも~」


「ダメだこりゃ」


「そして最後は勿論感動のキ、、、」


美樹はそう言うと突然話すのをやめ、下を向いた。

恭介は次々と変化する展開に追い付けず、とりあえず暴走モードは終わったか?と安易に考えた。


「おい、どうした?大丈夫か?」


美樹は「レイラちゃんとキス、、、」と誰にも聞こえない声量で呟くと、再度恭介に向き直り、笑顔で質問した。


「明智さん、いっぺん、、、死んでみる?」


覚醒モード突入!?


キャラデータ7


雪村レイラ


身長153センチ、体重秘密<金髪>、好きな食べ物;アイスクリーム



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