誠司ノ章2 ー神降臨ー
ようやく愛しの彼女と会話ができ、至福の誠司。
しかしそれは儚い夢の一時、人生そんなに甘くなぁーい。
所持金300円。
ポーツマスパークへ行くまでに幾度も確認する機会があったはず、、、
頭の中は彼女への思いで一杯だったのだろう、、、しかしそれを差し引いたとしても、高校2年生が所持金300円って、、、
色々反省する事があるのだが、とりあえずこの場を打破しなければいけない誠司。
完全に思考が止まり、それでいてパニック状態の彼に出来る事は一つだった。
「千円、、、、、300円じゃダメですか、、、?」
まさかの値引き交渉に入った誠司。
それも好きな女の子に。
それも家電量販店などでなく、フリーマーケットで。
それもまさかの7割引。
突っ込み所満載の状態対し、さすがの彼女も「え、、、?300円ですか、、、?」と戸惑いを隠せない。
「す、スミマセン!いつもはもっとお金持ってるんですよ!?でも今日に限って入ってなくて!いや、本当えっと、スミマセン!!!」
最早何を言い訳しているのか解らない状態で誠司は足早に逃げ出した。
噴水から見えない位置まで走り、真っ赤に染まった顔に手を当て、誠司は崩れ落ちた。
(最悪だー、最悪だー、最悪だー、最悪だー、最悪からの最悪だー。)
自己嫌悪に陥り、膝を抱えてうずくまっている彼に対し、何者かが肩を叩いた。
反射的にビクッと驚いた誠司が顔を上げると、見ず知らずの女の子が立っていた。
「ど、ドンマイお兄さん、いつか良いことあるさっ」
もう耐えきれないっ、私笑っちゃう、もう笑っちゃうよ!?的な顔をし、体がプルプル震えた女の子は、肩を叩いた逆の手でジュースを差し出した。
誠司は状況が理解出来なかったが、とりあえずジュースを受け取り、お礼を言った。
「ありがどぉ」
「ぶはっ!」
誠司の半泣き声に対し、ついに吹き出した女の子。
そこから3分間、彼女はダムが決壊したかの如く笑い続けた。
「本当にごめんなっ」
「、、、もういいって」
ようやく笑いのビックウェーブが終わった彼女は、誠司に両手を合わせて謝っている。
それを死んだ魚の目で遠くを見つめながら誠司は涙ぐんでいた。
「いやぁ、お兄さんがずっとボケーっと立っているから何をしてるのか気になってたのよ、それで盗み聞きしてたら~ね?」
ね?と言いながら再び笑いそうになる女の子。
次々と迫ってくる負の連鎖に対し、誠司はもはや哀愁漂う乾いた笑顔を向けるしかなかった。
女の子は「ごめんごめん」と再び謝り、誠司に向き直った。
「私、美鈴っていいます。歳は16で高校一年生!」
「え?あ、えっと、浅井誠司です。17歳で高校二年生です。」
突然始まった自己紹介に誠司はつい反応してしまった。
美鈴と名乗った女の子はピョンピョン跳ねながら「誠司君かぁ」と呟いている。
数回跳ねた美鈴は跳ねるのを止め、突然誠司の手をとり歩き出した。
「ちょっ、え?、何すんの?」
「いいから黙ってついてきなさいっ」
慌てて歩き出した誠司に対し、美鈴は鼻歌を歌いながら歩き出した。
そしてたどり着いたのは、最初に誠司が立ち止まっていた場所。噴水近くだった。
もう疑問しかない状態の誠司だったが、再び愛しの彼女が見える位置となり、鼓動が高鳴り、体が硬直した。
「はい、じゃあちょっとここで待っててね?」
「は?俺は今一刻も早く逃げ出したいのだが、、、」
「いいから」と一言残し、美鈴は愛しの彼女の元へ向かった。
誠司はその間気が気でなく、美鈴に対して不満を抱いていた。
(人の言動をチェックするわ、それ見て笑うわ、あげくに身勝手だし、、、悪魔みたいな女だ、、、。)
美鈴は一分もしないうちに誠司の元へ戻り、誠司に何かを手渡した。
「はい、これ。」
手渡されたのは誠司が買おうとしていたブレスレットだった。
「え!これって、、、!?」
「彼女の名前は神崎灯さん。そのブレスレットはサービスで、今度また買いに来て下さい。って言ってたよ?どうせその様子じゃ名前も知らなかったでしょ?」
「、、、神様、、、。」
誠司は膝を折り、祈りのポーズで美鈴を拝んだ。
「感謝してね?お礼は昼食で許して上げる」
ちゃっかりした神様だった。
キャラデータ6
美鈴
身長150センチ、体重秘密<巨乳>、好きな食べ物;ハンバーグ