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日常【怪】話

麦チョコ

作者: 小話家

「麦チョコ」


 ある昼下がり、家から少し離れた大きな公園

 久しぶりの家族水入らず、父親は疲労感を感じながらも心地よい風を受けていた


 ほぼ1年ぶりに押入れから出したレジャーシートを広げ、弁当を食べる準備をする

 母親はかいがいしくバスケットの中身を広げ、子供たちは早くもおやつに手を出そうとしている


 母親にたしなめられつつ、一通り腹ごなしをする

 食休みをしていると、いつの間に出したのかおやつの麦チョコを開けようと3歳の息子が四苦八苦している

 代わりに開けてやろうと手を伸ばすと、息子は取り上げられると思ったのか異常に力を入れてしまい、麦チョコをぶちまけてしまった

 幸いレジャーシートの上にほとんど収まったため、拾って食べ始める

 母親はまだ気づいていないのをいいことに次々に口に入れていく息子を見ながら、いつ止めるか父親は思案する

 すると、漸く気づいた母親に、息子ともどもこってり絞られ、母親は怒りながら麦チョコをゴミ袋に片してしまった


 食休みも終わり、罰として息子にレジャーシートを片付けさせることにした

 父親はきちんとできるか息子を観察すると、息子が何かを見つけて喜んでいることに気づいた

 それは、まるでいくつかの麦チョコがつぶれてくっついたようにも見えた


 父親は「それ」が何かを知っていた

 父親は「それ」が何かに気づいてしまった


 おもむろに「それ」を口元に運ぶ息子の手を、父親はぎりぎりのタイミングで叩き、「それ」を落とすことに成功した

 鬼気迫る父親の顔と突然の暴力に、息子が泣き叫び、母親が何があったのかと問いただすのは当然の結果だった


 その場を何とかごまかし、自分が悪者になることでその場を納めた父親は、帰ったら業者に頼んででも家中を大掃除することを決意したのだった


 後日、息子は物の本であの時父親がなぜあんなことをしたのかを知った


 「それ」は日本中の各家で嫌われる、あの黒い物の卵だったのだと

昔チャットで話した創作小話です

当時は運動会と言うシチュエーションだったんですが、今回はピクニックにしてみました

元ネタは自宅の引越しの際に見つけた「奴」の卵です・・・似てるんですよ、色が

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