不幸な結末
今日が、私達2人の、最後の日になるとは、思ってもいなかった。まさか、こんなことが、本当に、あるなんて、思いもしなかった。
私は、工藤涼子、30歳。スチュワーデスをしていて、国際線の飛行機に乗っている。
私の彼は、国内線のパイロットをしすている。辻和真、35歳。
2人は、5年前からの付き合いだった。うまくいっていたと思っていたのは、私だけだったなんて、悲しかった。
和真は、私が、仕事で、海外に行ってる間に、私の妹の咲子と、会っていたのだ。
そして、今日、和真と咲子は、入籍したのだった。私は、あまりのことに、普通では、いられなくなっていた。
後日、内輪で、結婚披露パーティを、開くことになった。姉の私も、呼ばれた。本当は、行きたくないのだが、大人げない気がしたので、出席することにした。とても、みじめな気持ちだった。
両親も、こんなことになるとは、思っていなかったので、複雑な心境になっていた。
次の日曜日、結婚披露パーティは、行われた。そこには、和真のパイロット仲間や、飛行機の整備士の人など、来ていた。見覚えのある顔もあった。
隣の席になったのは、パイロットの内藤達也、30歳だった。同期入社ということもあり、話しが、盛り上がった。私は、この場にいるのが、いたたまれなかったが、少し、気が紛れていた。
達也は、私と和真が、付き合っていたことを、知っていた。私の妹と、和真が、結婚することになったのを聞いて、ビックリしたみたいだった。
達也は、真面目な顔で、「涼子さん、和真さんと別れたんですね。」私は、平然としたふりをして、「そうよ。」と、こたえた。達也は、「それなら、僕、涼子さんに、告白しようかな。僕、以前から、涼子さんが好きだったんです。でも、和真さんと付き合ってたから、諦めてました。僕と、付き合ってもらえませんか?」私は、あまりの、突然の告白に、言葉が出なかった。思わず、ちゃかしてしまった。私は、「冗談でしょう!」と言った。達也は、言った。「僕は、本気です。入社式で、会って、一目惚れでした。ずっと好きでした。」私は、びっくりしてしまった。「少し考えさせてね。」と、私は言った。
私は、まだ、心の整理がついていなかった。和真に対して、まだ、好きだという気持ちがあった。付き合ってきた、5年の月日は、長かった。思い出も、たくさんあった。それが、突然、妹の咲子と、結婚することになったのだ。
納得ができていない、自分と折り合いをつけるのが、難しかった。
でも、正直、達也の気持ちは、嬉しかった。傷心の私にとって、心が救われた様な気がしていた。達也と、やっていきたい気持ちは、あったが、まだ、踏み切れない自分もいた。でも、30歳という年齢もあり、焦る気持ちもあった。複雑な気持ちを抱えながら、結婚披露パーティは、終わった。
達也とは、連絡先を、交換したので、メールで、やりとりしていた。達也は、国際線のパイロットだったので、乗務が、一緒になることもあったので、海外の行った先でも、デートを重ねた。私は、達也に、友達から、はじめましょう、と、伝えていた。達也も、私の気持ちを、理解してくれた。
間もなくして、和真と咲子に、子供が、できたことが分かった。今となれば、仕事で、忙しかった私だったから、こうなってしまったのかもしれないと、自分を責める気持ちにもなった。もう、完全に、和真に戻ることは、できなくなったのだと、悟った。
それと、同時期に、私は、達也とのことを、真剣に、考え始めていた。達也は、これといって、取り柄がないようにみえるのだが、一緒にいると、とても安心できた。今の私にとって、それだけで、充分だった。
達也と、会って、真剣にお付き合いしましょう、と、伝えた。達也は、とても、喜んだ。早く、結婚しよう、と、達也は、私に言ってくれた。とても嬉しかった。私も、早く、達也と結婚したかった。
そして、私と達也は、間もなく、入籍した。
結婚式は、あとで、挙げることにした。
これからは、幸せな結婚生活になるはずだった。何も起こらなければ…
私は、身ごもっていることが、判明したのだ。しかも、それは、明らかに、和真の子だったのだ。私は、達也には、そのことを言えなかった。このまま、隠し通すしかないと、思っていた。それは、苦しいことだった。
そして、妹の咲子の元カレが、達也だったことも、妹から、聞かされたのだ。あろうことか、妹の咲子の子どもの父親が、達也であることも。
あまりのことになってしまった、と、私は、どうしたらいいのか、悩み、考え始めた。妹の咲子は、事の全容を、知りつくしていたみたいだ。
達也から、妹の咲子は、別れを告げられたのだ。理由を聞くと、好きな人がいるから、と言われ、誰かと、問いただしたら、私(涼子)を好きだと、妹に、言ったらしい。
妹は、逆上して、私の恋人の和真に近づいて、結婚したが、身ごもっていたことがわかったのだ。明らかに、達也の子どもらしい。
私は、もう、こんなことになるなら、結婚しなければよかった、と、思っていた。恐ろしい事になってしまったことを、思い知らされた。
和真と、ちゃんと、話し合うべきだったと、後悔していた。
ここから、私と達也と、和真と妹の咲子の人生は、確実に、狂っていくと思っていた。
生まれてくる子供には、罪はないのだから。




