プロローグ 沈黙の宮廷
「退朝ォ!」
郎童が大声で朝廷の詮議の終わりを告げる
「吾皇万歳、万歳万々歳」
廷臣達に万歳を叫ばれている当の本人は玉座に深く腰掛け虚ろに半目を開けている。皇帝は頭を下げている臣下たちを一瞥するがごとくゆらゆらと立ち上がる。お付きの宦官に導かれるが如くコツコツと内廷へと戻って行った。
皇帝の姿が見えなくなると廷臣たちは口髭を蓄えた老年の男に道を開けた。
「ハ、ハ、ハクッション!!!」
「!!!!!」ビク(廷臣たちのざわめき)
「宰相閣下、下に馬車を待たせております」
「うむ、分かった」
廷臣たちは宰相と呼ばれた男が退出した後にトボトボと帰路に着いた。
「袁大人、よろしいか」
「あぁ、旭仁殿、いかがされた?」
「お供しても?」
「構わんよ、何か話があるのか?」
「実は、、、、、陛下のご加減はどうなのですか?先ほどのご様子、、太傅のあなたでしたら何かご存知などでは?」
「陛下か、、そりゃ、よろしい訳があるまいよ。」
「そうですか、、やはり病なので?顔色も相当、、」
「ハハハ、そこではない、、、」
「そこではないとは?一体、」
袁は旭仁の胸元に人差し指を突きつけた
「おぉぉ、」
「ここの病であろう」
「やはり宰相の玖光様が、、」
旭仁が言いかけるのを「それ以上言うでない、何処に宰相派のものがおるかわからん」
「は!失礼いたしました。」
「しかし、300年の大黎王朝が、、、このありさまか、、」
嘆息しながら二人が空を見上げていた。
それを傍から盗み聞いていたものがいた。
「はぁ、300年大黎か、、」
王朝の未来を憂い一人、ため息をつく青年がいた。
「太子様、ここにおられましたか!何をなされていたので?」
太子と呼ばれた齢17の黒髪の男こそ、黎朝12代目皇帝の嫡長子玉啓孝
この物語の主人公である。
初めまして瑠華と申します。
2月26日から巫蠱の庭をゆっくりと書いて行きます。
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