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世界が滅びかけたので竜は旅に出る  作者: 火川蓮
第三章

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chapter23 洞窟の奥から

謎の足音が聞こえ、私は即座に警戒態勢に入る。

音は――次第に近づき、やがて一体の巨大なドラゴンが姿を現した。


黒い鱗は鈍く光っているが、身体中は傷だらけで、見るからに満身創痍だ。

その姿は――まるで、先ほどまで私の腕の中にいた子竜が、そのまま成長したかのようにも見えた。


私に抱かれていた子竜たちは、私の腕からするりと抜け出すと、現れた巨竜のもとへ駆け寄り、甘えるような仕草を見せる。


「エヴァンズドラゴンが、こんな場所にいるとは珍しい。

“神の御使い”とされるドラゴンであっても、この事態は看破できなかったか……」


巨大なドラゴンは、威厳ある声でそう言った。


エヴァンズドラゴン?

神の御使い?

初めて聞く言葉ばかりだ。


私がそんなことを考えていると――顔に出ていたのか、巨竜は続けて口を開く。


「ふむ……心当たりはなしか。

まぁ、その若さだ。親から何も聞かされておらぬのだろうな。

生まれてから二百年余、といったところか」


年齢なんて、見ただけでわかるものなのか?

血まみれではあるが、相当な年月を生きている存在なのだろう。


「それよりも――死竜がいただろう?

あれは、どうした」


「倒しましたけど」


私がそう答えると、なぜか巨竜は笑い出した。


「フハハハハ! 面白いことを言う小童だ。

我ですら敵わぬ存在を、貴様が倒したというのか。

――名はあるか?」


「ヴァリアス」


少し苛立っていたので、名前だけ返す。


すると巨竜は目を見開き、すぐに納得したような表情を浮かべた。


「なるほど、名持ネームドちか。

それならば、あの死竜を討てたのも道理だ。

だが……アンデッドはしぶとい。

よくも、これほど短時間で倒したものだな」


感心した様子で、そう問いかけてくる。


「魔法で倒しましたから」


私は短く答えた。


「……どんな魔法だ?」


「光」


「バカな!?」


巨竜の表情が、はっきりと驚きに染まった。

聞かれたから答えただけなのだが、そんなにおかしいことだろうか。


しばらく私を凝視した後、巨竜は再び納得したように頷く。


「なるほど……“転生者”か。

人間から竜へと転生するとは、実に珍しい。

いや――それこそが、この世界の“異常事態”なのかもしれぬな……」


一人で納得されても困る。


「どういう意味です?」


私は素直に問い返した。


「ドラゴンとて万能ではない。

光魔法を扱える竜も存在はするが、それは“変異種”――極めて例外的な個体のみだ。


通常、竜が扱える魔法は火・水・風が基本。


地竜は土魔法を使うが、奴らは生存競争に敗れ、翼を捨て、脚力に特化した進化を選んだ存在だ。

我から見れば、敗北者に等しい」


……辛辣だな。

歴史の話としては興味深いが、言い方が容赦ない。


「……では、あなたは?」


「我はブラックドラゴン。

この世界に存在する竜族の中でも、上位に君臨する種族だ」


堂々とした口調で言い切る巨竜。

……格好はついているが、

血まみれでボロボロの身体でそれを言われても、

正直、威厳はあまり感じられなかった。

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