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世界が滅びかけたので竜は旅に出る  作者: 火川蓮
第三章

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chapter21 謎の洞窟

洞窟の前に降り立つと――入口はとてつもなく大きかった。

80メートルはあるだろう。

竜の姿の私は5メートルほど。比べるまでもなく、途方もない大きさだ。

奥は――真っ暗で、何も見えない。


「《ライト》」


詠唱して光を灯す。

進めども進めども、生き物の気配はない。

だが、奥の方から咆哮のような音が聞こえた気がした。迷宮ではなさそうだ――直感がそう告げる。


父上に聞いたことがある。

迷宮ダンジョンとは、魔力に溢れ――侵入すれば魔物に襲われる場所”だ、と。

侵入して間もないせいか、魔力は濃くないように感じる。

どうにもわからない。


私は慎重に進む。

壁には引っ掻き傷や血痕のようなものがあり、まだ新しい。

不安を胸に、翼をはためかせながらさらに奥へと歩みを進める。


再び咆哮が聞こえた。

争うような物音も混じる。

この先に――何がいるのだ!?


そのとき、目の前から数匹の子竜が飛び出してきて、私にしがみついた。

前方から、咆哮と共に一匹のドラゴンが現れる。

――骨のようにガタガタと音を立て、かつて竜だった面影を残す影。


瘴気の森で討ったドラゴンゾンビとは違う。

あいつは――鱗は禿げ、肉は腐敗し、瘴気が漂う翼を揺らすその姿。

生きている竜の温かみはなく、ただ死の冷気だけが迫るような感じだった。


今――目の前にいる漆黒の巨竜は、あいつよりもおぞましい気配がある。

ライトの光に照らされて初めて、その姿が目に入る。

生き物としての竜の形はほとんどなく、朽ちた骨格に瘴気の羽が絡みつく。

周囲の岩はひび割れ、魔力が吸い取られるのがわかる。

その瞳――いや穴のように暗い目――は、あらゆる生命を見透かすかのようで、身の毛もよだつ。


なんだ!?あの化物は――

思わず魔法をかける。


「《鑑定》」


■▲■▲■▲


〖ドラゴンモーティス〗

腐食竜ドラゴンゾンビの上位種。

厄災をばらまく死の化身。

腐食竜から進化したことで知性を得た。

だが、動きは単調で“思考する”ことはなく、本能のまま暴れ、目についたものを襲う習性がある。


■▲■▲■▲


鑑定結果を見た――その瞬間だった。

闇の奥から、地鳴りのような足音が響いた。

空気が震え、全身の鱗が逆立つ。

理屈じゃない――本能が告げている。

逃げろ、と。


やべ…!

危険を感じ、来た道を全力で引き返す。

複数の子竜ベビードラゴンが私にしがみついているが、そんなことを気にしている余裕はない。


背後から咆哮が聞こえる――だが今は考えている暇はない。

翼をはためかせ、子竜たちを抱き直しつつ、全力で空を駆ける。

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