chapter19 姿を消した竜の群れ
※本編に戻ります
死霊竜を討ってから、二日が経っていた。
棲みかにしていた近くの森へ狩りに出向いたが――瘴気が溢れ、獲物は不足していた。
仕方なく、新しい狩り場を探す決意をして、一行は山脈を離れ空へと舞った。
私は、これからのことを考えながら、ひとりで飛べるように練習しようと決めていた。
以前から飛行の訓練は続けているが、群れのみんなは速すぎる。
結局いつものように父上の背中に乗ってもらう羽目になったのだけれど。
それでも周囲を飛び回り、練習を終えて群れがいた場所へ戻ってくると――誰もいなくなっていた。
どういうことだ? ここで休んでいたはずなのに。
辺りを見回すと、地面に引っ掻き傷のような跡がいくつも刻まれているのが目に入った。
――これは「足跡文字」だ。父上が、使いこなせれば便利だと教えてくれていたやつだ。
近づいて目を凝らすと――そこに、父上が残していったと思しき文章があった。
「ヴァリアスよ。お前には悪いが、我らは先に立つ。
お前は自分のペースで来ればよい。
世界を巡れば、我らの姿が消えた理由もいずれ分かるであろう。
食料に困ったら迷宮に寄るがよい。そこには多くの魔獣が出る。
お前は我らの群れの中でも、誰より強く、誰より賢く、誰より才能に満ちている。
また逢う日を楽しみにしておるぞ。」
父上の文字だ。唐突に――ひとりぼっちにされた寂しさはあるが、父上たちなりの考えがあってのことだろう。
私は深呼吸をして気持ちを切り替え、ここを出発する準備を始めた。
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