Quiet talk 異変の謎
※番外編です
※父竜視点
side:父竜
我は、今の状況に困惑していた。
森には瘴気が満ち、ヴァリアスが竜ではありえぬ魔法を操り、そして高位のアンデッドモンスターが現れた。
しかもその者たちは、自らを攻撃した息子たちを執拗に狙っている。
――勝負になれば、我らが負けることはない。
だが、我は“対アンデッド”の攻撃を持たぬ。
頭を吹き飛ばそうが、肉体を砕こうが、やつらは再生する。
そうなれば、隙を突かれ、我が敗北することになるだろう。
我は、この世界が生まれたときから存在している。
神たる創造神クレドヴァリス様によって創られた神獣。
"竜神"の二つ名と、“ゼルヴァス”という名を授かり、古来よりこの世界を守護してきた。
この数千年、幾度となく“ディルカナ帝国”の周辺で異常現象が起きていたが、その原因は掴めなかった。
千年ごとに現れては消えるその現象――神々に相談しても、「原因不明」としか返ってこなかった。
――そうだ。
あのときも、確かに瘴気が溢れていた。
ならば今回の現象も、“ディルカナ帝国”と何か関わりがあるのかもしれぬ。
だが、おかしい。あの国はここから南へ数千キロも離れている。
当時の瘴気の影響範囲は、帝国を中心に千キロほどだったはずだ。
この森の周辺――千キロ以内に存在する国は、
“デュリアルス王国”、“ティルアンダ王国”、“ルアルディン大国”、“ディスティアル王国”、
そして“ヴァンウィルア王国”だったか。
もしや――それらの国も、ディルカナ帝国と同じ過ちを犯したというのか?
……とはいえ、今さら潰しに行ったところで事が終わっているなら無意味だな。
そう考えたその瞬間――
「《ディスペル・リングレーション》!」
ヴァリアスが叫び、2体の死霊竜を一瞬で消滅させた。
――その瞬間、我は異質な魔力の流れを感じ取った。
ヴァリアスの魔法を模倣し、ブレスへと組み込む。
彼が死霊竜たちを消し去るとき、地面に術式――魔法陣を展開していた。
あれは“魔法の構築式”だ。竜のブレスもまた、術式によって形成されている。
構築は難解だが、一度見てしまえば模倣など造作もない。
我は、不自然な魔力の源へと狙いを定め――
《ディスペル》を組み込んだブレスを放った。
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