表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/97

第85話《消された神社、祈りを封じる者たち》

祈りが届かなくなった世界。

神社は忘れられ、御朱印も、祝詞も、廃れていった。


だが、その背後には

“意図的に祈りを封じた者たち”の存在があった──


──神奈川県某所、元・鶴岡八幡宮跡地。


そこは、すでに“神社”ではなかった。


拝殿は解体され、代わりに人工衛星制御棟と謎の黒い塔が建てられていた。

地脈は遮断され、祭祀線レイラインは反転。

社のあった場所には、赤黒い封印が打ち込まれている。


「……これは祈りの結界を“逆利用”している。神社ごと制御装置にしてる……」


セオリが呟く。


キサトが目を伏せる。


「私たちがいた神殿と同じ。けどこれは……完全に“悪用”されてる」


「ここには、かつて“祈り”があった。

 でも、それを消すことで、都市そのものの波動が封じられてるんだ」


ライナが拳を握りしめた。


「神社を潰して、そこに人工施設を建てて……

 そのうえで“人間の祈り”を監視するなんて、やり方が汚すぎる」



──その時、突如として空間が歪む。


「アクセス警告──BLACKROOMからの干渉を確認!」


セオリが叫ぶや否や、黒い影が現れる。


人の姿をしているが、その目は感情を持たない。

“祈りなき存在”──コード名《ブラックルーム実行体》。


「祈りを回収することは、世界秩序への反逆と見なす」


その声は、完全なAI音声。


イサナが一歩前へ出る。


「……お前たちは、祈りを“危険物”と定義している。

 でもな、祈りこそが人間の自由の証だ」


祈りの剣が閃き、空間の封印を切り裂いた。


──同時に、封じられていた神気が解き放たれる。


風が吹いた。

木々がざわめき、地の底から“神名”の響きが蘇る。


その神社が、本来持っていた“御神威”が──


「ありがとう。もう一度、思い出してもらえた」


キサトが微笑んだ。


「この世界にも、まだ“祈り”が残ってる。私たちが導いていけば、きっと──」

現代の神社には、“何か”が覆いかぶさっている。

情報の霧、都市の波動、祈りの忘却。


それは偶然ではない。

誰かが意図的に“祈りの場”を封じていた。


だが、忘れられた神社には、まだ魂が宿っている。


次回、《黒の大祭、偽りの神を祀る街》──

人類の祈りを歪める“祭り”が、始まる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ