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第8話:旅立ちの道と、風のうた

村を出られなかった少女・セオリが、その足で外の世界へと歩み出す日。

イサナと共に踏み出す第一歩が、世界と運命を変えていく。

ささやかな旅の始まりと、その先に待つ出会いの予兆を描きます。

村を包んでいた朝霧が、少しずつ晴れていく。

山道の先には、誰も踏みしめていない土の匂いと、どこまでも続く青空。


イサナとセオリは、村の門の前に立っていた。


「ここを越えたら、もう……戻れないかもしれない」

セオリの声には不安もあったが、それよりも何かを決意したような強さがあった。


「それでもいいんだ。前に進みたい」

イサナが頷く。


門の横では、村長と何人かの村人たちが集まっていた。

その表情は厳しくも、どこか誇らしげだった。


「霊木の封印が解けたということは、おぬしの役目が終わったということじゃ」

村長はセオリに言った。


「外の世界は厳しいぞ。だが、そなたらなら大丈夫じゃろう」


セオリは深く頭を下げた。


「……ありがとう、皆」


イサナも静かに礼をする。


ふたりはゆっくりと門を抜けた。

風が吹き、セオリの白い髪が揺れる。


「ねぇ、イサナ」

歩きながらセオリが言う。


「外の世界って、どんな感じなんだろうね」


「さぁ……でも、きっと――出会いがある」

イサナは空を見上げて言った。


そしてその言葉通り、物語は新たな道へと繋がっていく。


霧が晴れたその先で――

風が歌うように、どこか遠くから声が聞こえていた。


“村の外”という壁を越えたふたり。

これはひとつの“始まりの終わり”であり、次の“出会いの扉”でもあります。

旅の途中に待っている人々、そして新たなヒロインとの運命の交差。

その第一歩が、ここから始まります。


次回、第9話では…運命の「邂逅かいこう」が。

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