【第66話】 #《カムリ=カラ宣言、黒き神々の国》
光の国、アマリカム。
その名が天に届いたとき、世界にもう一つの名が刻まれる。
それは、“祈りの否定”と“神の反転”を掲げる国――
カムリ=カラ。黒き神々が、表舞台へと現れる。
――朝が来ない。
アマリカムの大地に、異変が起きていた。
空の端が、不自然なまでに暗く、冷たい。
「……太陽が、消されてる?」
アマネが呟く。
確かに、日は昇っているはずなのに、光が遮られているようだった。
ミハヤが剣を構え、風の匂いを嗅ぐ。
「これは……祈りを“逆に流す”ような、変な気配……」
「来る」
イサナが一言、言い放つ。
空が裂けた。
そこに現れたのは、
“黒い五角形”を描きながら浮遊する、五つの影の存在。
その中心に立つのは、やはり――ロクナ。
「挨拶が遅れてすまないね。ようやく眠りから醒めた」
声には嫌味も皮肉もない。むしろ、清らかで澄んだ音色だった。
「私はロクナ。君たちのように、祈りによって世界を紡ごうとした者だ。
だが、私たちは気づいた。祈りは歪む。選ばれた者の手で“作られた神”になるのだと」
「……それが、君の言う“黒の祈り”か」
セオリが睨む。
ロクナは笑う。
「私たちが築く新しい国――“カムリ=カラ”
それは、“祈りの反転”と“神の空白”を土台にした、真の世界再生装置だよ」
「その名に、“国”と呼ぶ資格はあるの?」
ライナの問いに、
ロクナの隣からもう一人、姿を現す。
赤黒い翼を持つ美しい青年――ルーシェル。
「あるさ。光が神を作るなら、闇は“真実”をあぶり出す。
この空の下、私たちが神の代行者であることに、何の矛盾もない」
「……彼らは、何をしようとしてるの?」
ツユカが小さく問うと、ヒユが答える。
「“神なき神域”を再定義しようとしてる。
イサナたちが世界を“再生”するのに対し、
彼らは世界を“書き換え”るつもりなんだよ」
それは宣戦布告だった。
ロクナは最後に微笑んだ。
「イサナ。君の“アマリカム”がどこまで持つか、試させてもらうよ。
さあ、最初の“黒き使者”を送ろう――我らの五芒星、もう一柱が目覚める」
そして、闇の中から、冷たい風と共に――
もう一人の影が、ゆっくりと姿を現した。
“カムリ=カラ”――それは、
祈りの反転、神性の否定、そして“もうひとつの国”。
イサナたちのアマリカムに対し、
ロクナたちは闇から堂々と名乗りを上げ、宣戦を布告しました。
次回――
【第67話:ティアナ、深海より来る(仮)】
黒の五芒星より、原初の怒り「ティアナ」が現れます。
大地が軋み、海がうねり、世界は二極化へと突入します。




