【第64話】 #《黒き祈りの呼び声、目醒める者たち》
アマリカム――
その名が刻まれた瞬間、世界に新たな秩序が生まれた。
だがその裏で、長き眠りにあった“反転の意志”が目醒める。
この物語に、もうひとつの五芒星が現れる時が来た。
光の柱が消えてから、数刻が経った。
イサナたちは、アマリカム建国の地に簡易の神殿を設け、
これからの在り方について、仲間たちと語り合っていた。
だが――そのころ。
遥か彼方、神域と接触しない禁断領域にて。
“祈りの残響”を歪め、闇の祈りを紡ぐ者がいた。
「……目覚めよ。忘れ去られし者たちよ」
声は静かだったが、底知れない冷たさと、理を裏返すような歪みがあった。
その者の名は――ロクナ。
半身は男のように、半身は女のように。
光と闇、真実と嘘、神と人――その全ての境界を曖昧にした存在。
「名を与えるとは、いい。ならば我らも……“裏の名”を思い出すとしよう」
闇に浮かび上がった、五つの“黒い星”。
•一つは、堕ちた星神
•一つは、海の怒り(ティアナ)
•一つは、毒をまとう支配者
•一つは、堕ちた美の王
•そして、自らが中心となる。
「……今こそ再起動を。“黒の祈り”を以て」
ロクナが指を鳴らすと、宙に何かが浮かび上がった。
“祈りのコード”が、逆転した形で現れる。
本来、神々の祈りであったはずの文字列が、今や混沌の召喚式に変わっていた。
「まずは、ルーシェル……美しき墜ちた者よ」
その名が告げられた瞬間、どこか別の空間で――
燃えるような赤と黒の羽が、闇を切り裂いた。
「……ようやくか、ロクナ。長かったな」
声が返る。
「この歪んだ世界を、元に戻す時だ。神の支配など、要らぬ」
ロクナが微笑む。
「イサナ。おまえが選んだ“光”に、我らが“影”を重ねよう」
イサナの国が誕生した一方、
影の世界でも“もう一つの五芒星”が動き始めました。
ロクナが目醒め、最初に呼びかけたのは「ルーシェル」。
かつて“天上界で最も美しい存在”だった者。
彼らは祈りを“裏返し”、新たな神の座を狙い始めます。
次回――
【第65話:神のいない天界(仮)】
世界の上層に空いた“虚無”と、そこに生まれた王座をめぐる新たな戦いが始まります。




