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第42話「雷鳴の山、揺れる予兆」

風と火の祈りが交わり、“言霊の神域”はさらなる扉を開いた。

そこに現れたのは“雷”の気配――

次なる“記憶の扉”へ向かい、三人は山へと足を踏み入れる。

神域を出た三人は、山のふもとにたどり着いていた。


「……空が、重い」

セオリが空を見上げると、分厚い雲が渦を巻いていた。

その合間から、時折、稲妻の閃光が走る。


「この先に、“雷”の神域があるのかもしれない」

イサナが呟くと、ミハヤが頷いた。

「夢の中で見たの……黒い山と、空を裂く光。たぶん、ここだと思う」


山道を進むごとに、空気が張りつめていく。

木々は沈黙し、鳥の声も風音も遠のいていた。


突然、イサナの胸が熱くなる。

「……なんだ? この感じ……」


言葉にできない感覚。

火とも風とも違う、もっと鋭く、深く、身体の内側を震わせる“何か”。


「イサナ、大丈夫?」

セオリが気づいて手を取ったとき、雷鳴が轟いた。


轟音と共に、空から光が落ちる。

地が震え、古びた山道の石畳が一部崩れた。


「……こっちだ!」

ミハヤが咄嗟に声を上げる。

その先には、古びた鳥居と小さな祠が佇んでいた。


鳥居をくぐると、雷の気配は静まり、まるで異なる空間に踏み込んだようだった。

祠の奥には、石板が浮かび、その上に奇妙な文字が浮かび上がっていた。


「……これは、“雷の記憶”を封じた文字……?」


文字は読めなかったが、イサナの身体は震えていた。


「……呼ばれている……?」


そのとき、石板の中心がうっすらと輝き始める。


「イサナ……君に反応してるのかも」

セオリの言葉に、ミハヤも真剣な眼差しを向けた。


「“言霊の力”は、あなただけのものじゃない。

でも……あなたの中にも、それが宿ってる」


ミハヤが、ふと囁いた。


イサナは自分の胸元に手を当てる。

確かに――そこに何かが“目覚めよう”としていた。


「雷の記憶」は、まだ眠っている。

けれどそれは、彼の中に何かを問いかけていた。


雷雲は、まだ動いている。

嵐の中心へと、三人の旅は続いていく――


雷鳴が響き始め、“第三の力”が動き出します。

今話ではイサナ自身の内なる力にも焦点が当たり、次話ではいよいよ“雷の巫女”にまつわる記憶、

そして“イサナの核心”にも触れ始めていく予定です。

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