表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/97

第33話「風の契り、祈りの刻」

風の神殿での“契り”が始まる。

それは、神代の記憶と魂を繋ぐ神聖な儀。

ミハヤの中に眠る“ヒミカ”の記憶と、言霊の真実が静かに交差する――。


風の神殿に風鈴のような音が満ち、三人の周囲を光の渦が舞う。

記憶の巫女が手を掲げると、神殿の中心に三つの光の輪が浮かび上がった。


「この環の中で、あなたたちの“祈り”を重ねなさい」


イサナ、セオリ、ミハヤはそれぞれの輪の中に歩みを進めた。


「……祈り、か」

イサナは目を閉じ、自らの内側を見つめる。


――この旅の始まり。セオリとの出会い。ミハヤとの邂逅。

自分が何を願っていたのか。誰のために歩んでいるのか。


「……僕は、誰かの運命を変えたい。

 でも……それ以上に、“この世界の可能性”を信じたい」


セオリは静かに両手を胸元に重ねた。


「わたしの祈りは……“流れを整える”こと。

 あふれる力が、誰かを傷つけることなく、優しく届くように……」


彼女の足元に、やわらかな風の模様が広がった。


ミハヤの祈りは、少し時間をかけて始まった。


「……あたしの中には、“火”がある。

 だけど、その炎で、誰かを傷つけるのはもういや……」


瞳を閉じると、彼女の胸の奥に、かすかに声が届く。


「――祈りなさい、ヒミカ。あなたの“本当の名”で」


「……ヒミカ……それが、あたしの……?」


その瞬間、彼女の体から赤い光が溢れ、神殿全体に炎の螺旋が走った。


「祈りが、形になっていく……!」

イサナがそう呟いた時、神殿全体が共鳴を始めた。


三つの祈りが交わり、ひとつの光柱となって天へと昇る。


巫女が静かに言った。


「――“風の契り”は結ばれました。

 これより、あなたたちは“言霊の守り手”となる」


風が静まり、空は蒼く澄み渡っていた。

神殿の中央には、新たな文様――“風・火・水”を象った三重の紋章が刻まれていた。


「……これで、何かが……始まる気がする」

イサナの言葉に、ミハヤもセオリも頷いた。


そして、遠くに微かに響いたのは、次なる“扉”の気配。


風は止まない。祈りも、まだ終わらない。


風の神殿にて交わされた“契り”。

それは、三人が互いの願いと向き合い、共に歩む力を得た証。

次に導かれるは、さらなる記憶と試練。

ミハヤ=ヒミカの覚醒は、いよいよ核心へと近づいていく――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ