第26話「風の残響、進むべき道」
試練の焔を乗り越え、三人は少しずつ“仲間”としての絆を深めていく。
ミハヤの覚醒と共に、彼女の過去と運命が静かに輪郭を現しはじめる中――
旅の行方を左右する、新たな道標が見えてくる。
焚き火の跡がまだ地に残る朝。
鳥のさえずりに混ざって、森の奥から微かな風の音が響いていた。
「……あれが終わってから、風の流れが変わった気がする」
セオリが呟くように言った。
「風?」
イサナが振り返ると、セオリは目を細めて森の奥を見つめていた。
「昨日までとは違う。流れが……揺れてる」
「“火”が目覚めたから、自然の気配が反応してるのかもね」
ミハヤが口を開く。
その瞳には、どこか静けさと決意が宿っていた。
「ねえ……少し、話してもいい?」
イサナとセオリはうなずく。
「……あたし、たぶん“捨てられた”んだと思う。小さな頃から、火にまつわる異変が起きて、そのたびに……」
ミハヤの言葉に、セオリがそっと手を握る。
「……もう、独りじゃないよ。わたしたちがいる」
ミハヤは小さくうなずいた。
「だから、もう一度だけ、あの夢の場所へ行きたい。“燃える街”……あれが現実なのか、確かめたい」
「行こう」イサナが即答した。
「ミハヤの記憶をたどることが、何かの手がかりになるかもしれない」
三人は荷をまとめ、森を抜けて草原の方へと向かう。
風が後押しするように吹き抜ける。
その流れの中に、何か新しい“気配”が混じっているのを、イサナは感じていた。
「……これから、何が起きてもおかしくないかもしれない」
セオリが頷き、ミハヤが歩を進める。
その先に待つのは、ミハヤの“過去”と、“炎”の正体。
そして、三人が共に進むべき、次なる試練の予兆だった――。
少しずつミハヤの背景が明かされ、旅は新たな方向へ動き始めます。
風が変わる時、それは物語の“転機”。
次回、三人は“燃える街”の記憶を辿り、さらなる真実に迫ります――
どうぞ、お楽しみに。




