第24話「風を裂く影、揺らぐ決意」
幻の“ミハヤ”と対峙した後、少しずつ動き出す三人の運命。
迷いと不安の中で、それでも手を取り合う決意が生まれる――。
そして、新たな“影”が彼らの前に現れる……!
森を抜けた先、小高い丘の上で、三人は朝の光を背に歩き出していた。
「……あの“幻影”、やっぱりミハヤだったよね」
イサナが口を開くと、ミハヤは黙って頷いた。
「でも、あの声……『まだ』って言ってた」
セオリがつぶやくように言う。
ミハヤは、自分の手に残る赤い紋様を見つめていた。
その紋様は、少しずつ消えかけていたが、確かにそこに“何か”を刻んでいた。
「……怖いの。私の中にあるものが、目覚めるのが」
ぽつりと呟くミハヤ。
イサナは立ち止まり、振り返る。
「怖くても、逃げたくないなら……僕たちが、そばにいる」
その言葉に、セオリもうなずいた。
「わたしも……自分の中の“水の力”がまだ分からない。でも、それを信じるしかないと思ってるの」
ミハヤは、ふたりを見て、少しだけ笑った。
「……あんたたちって、本当に変なコンビ」
「“トリオ”になったんじゃないの?」
イサナが笑うと、三人の間に小さな風が吹き抜けた。
***
その日の午後、三人は森を抜けた先の村へと辿り着いた。
けれど、村は静まり返っていた。人の気配が薄く、扉も窓も固く閉ざされている。
「……なんか、おかしいね」
イサナがつぶやいたその瞬間――
ザッ
風を裂くような音とともに、目の前に“影”が現れた。
黒いマントを羽織り、仮面をつけた人影。
その背後に、ゆらりと赤い煙が立ち上っていた。
「ようこそ、“焔の目覚め”に近づいた者たちよ」
その声は低く、響くように地を這った。
「……誰?」
ミハヤが前に出る。
「“目覚めの刻”を早める者。そして、お前の中の火種を試す者だ」
次の瞬間、炎の気配が爆ぜた。
草が焼け、風が渦巻き、イサナたちは一斉に身構える。
「戦うしかないのか……?」
イサナが剣を抜いた。
それは、避けられぬ試練の始まりだった――。
ミハヤの“中の火”が、静かに目を覚ましはじめました。
そして今回登場した仮面の人物……彼(or 彼女)の正体と目的とは?
この“影”との邂逅が、次なる展開の大きな火種となっていきます。
次回も、どうぞお楽しみに。




