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第18話 風が導く、紅の気配

静かに続いていた旅路の先に、風は新たな出会いを運んできました。

紅の風と共に現れた少女は、何を秘めているのか――

次なる“鍵”の目覚めが始まります。


森を抜け、しばらく進んだ丘の上で、ふたりは立ち止まった。

眼下には、広大な草原と、点在する岩のような建物の影。

その先に、ひとつだけ異彩を放つ建物があった。赤い屋根。まるで灯火のように輝いていた。


「……あそこ、何かあるね」

「うん。行ってみようか」


道なき道を進みながら、ふたりは草原を下っていく。

風が強く吹き、セオリの銀白の髪がふわりと舞った。


「ねえ、イサナ……」

「ん?」


「わたし……この先で、何か“運命”みたいなものに出会う気がするの」

セオリの言葉に、イサナはふと空を見上げた。

雲が流れ、風が螺旋を描く。



草原の中央、小さな集落に辿り着いたふたり。

そこは、にぎやかというよりも、どこか張り詰めた空気が漂っていた。


「旅の方かい?」

低く渋い声で話しかけてきたのは、槍を抱えた若い男。

「この辺りは、最近“火の怪異”が出るって噂でな。気をつけるんだな」


「火の……怪異?」

「赤い風と共に現れて、ものを燃やして去っていく。誰も姿を見た者はいない」

「赤い風……」


その言葉に、セオリの目が細められる。

「……紅い何かに、呼ばれている気がするの」


集落の外れ、誰も寄り付かなくなった古い祠。

その前に立ったとき、風が強くなった。


「イサナ……あそこ、何か……いる」

「わかった。行こう」


ふたりが祠の中に入ると、ふわりと熱気が包み込む。

そして――


「誰?」

静寂を破って響いたのは、澄んだ少女の声。


その場に立っていたのは、炎のような紅の髪と、琥珀の瞳をもつ少女。

ゆっくりとこちらを振り返る。


「――あんたたち、どこから来たの?」


次なるヒロイン、ミハヤ。

その出会いは、風の予感と共に幕を開ける――。


新章の扉が開きました。

セオリとの旅を通して育んできた絆は、次の運命を引き寄せます。

紅き気配を纏う少女――ミハヤ。

彼女との出会いが、世界の“火”を灯すきっかけになっていきます。


ここからは、少しずつセオリとミハヤの関係性も深まり、

イサナの中で“選ばない愛”の形が浮かび上がっていくことになるでしょう。


次回、ミハヤとの対話。火の巫女の記憶と、過去の影が見えはじめます。

どうぞ、お楽しみに

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