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第4話時代は自立よ
「だいたい、王族と結婚できれば幸せという考えがもう古いのよ。時代は自立よ自立!!」
ミトリアは椅子から立ち部屋を歩きはじめた。
(うーわ、またはじめたよこの人・・・)
シンは目を細める。定期的にでるミトリアの悪い癖である。
「はあ、それで名声ですか」
「そうよ。これで家でなくわたし自身が有名になるのよ!!」
ミトリアの頭の中には「キャー!ミトリアさまー!!」と慕う民の声と姿が見える。それでますますシンの目が細まった。
「あなたまさか、面倒くさいとか、思ってないでしょうね・・・」
ミトリアは腕を組んで睨んだ。
「いえ、途中で飽きなければいいですね」
シンは冷めた目を向ける。同時に不安に感じてきた。
(旅にでる前ならいいけど旅の途中なら帰宅するまで長そうだな・・・)