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第3話婚約破棄の知らせ、執事の反応
ミトリアは自室に戻ると執事のシンにさっきの話をしつつ紅茶をいれてもらっていた。
「それでお嬢様、結局婚約はどうするんです?」
そのシンが飽きれと不安込みで聞く。
「別にいいわ、それはあとにしましょう」
ミトリアは腕を組んで冷静なままだ。元より第一王子の婚約破棄を気にしない以上相手をすぐに見付ける必要もなかった。
「はあ?じゃあどうするんっていうんです?」
シンの心を呆れが支配する。
「旅にでるのよ。そしてわたしの名前を世界に知らしめてやるのよ!!」
ミトリアは扇をばさっと前に掲げて叫んだ。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああ?!」
シンの叫びが部屋中に響きわたる。このお嬢様はなにを言ってるんだ。もはや前世の記憶が戻った時ばりの声量であった。