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21話服が飽きた
「なんか家の服飽きてきたわね・・・」
ミトリアは今日着る服を見せられた時シンに言った。
「飽きたってどうするんです?」
お嬢様だけに当然家に大量に服がある。それを飽きたと言っているのだ。
(こりゃ困ったな・・・)
シンは顔を歪める。
「今度呉服屋さん呼びます?」
「持ってくるにしたって全部は無理よ」
シンはミトリアに否定される。
「無理ってどんだけの数から選ぶつもりですか」
シンは思わず呆れてしまう。たくさんの馬車にしまわれた服をイメージしたのだ。
「だいたい、人にいちいちこれどう?なんてやり方気に食わないのよ。わたしが使うものは自分で選ぶわ」
ミトリアは扇をばさっと振って拒否する。
「ふ、おみそれしました」
シンは思わず破顔した。




