第12話しっかしあんな情けない王子でおんしも苦労しっちゃのう
「そいつはどうも。しっかしあんな情けない王子でおんしも苦労しっちゃのう」
ティファンは両手を挙げた。
(この人たち子供のころからこういうポーズするのか?)
シンは欧米人のような二人のリアクションに驚く。
「まったくよ。あんなのが次の王様とかありえないわ」
ミトリアは手を振った。
「あんなのが国の実権握ったら国が沈むっちゅうにー」
ティファンはばっさばっさとどこからともなく扇を振る。
「おほほ、あなた面白いこというわね。おほほ、おーほっほほ、ひーひっひひ、あぶ・・・」
ミトリアはツボに入ったのか派手に高笑いしだした。
「お嬢様、人前であまり大声で笑うのはよくないですよ。それに内容もよろしくありません」
シンが顔を歪め慌てて彼女を口に手をあてる。周りでほんとに聞いてる人が確かめるがティファンの関係者と思しき者しかいなかった。
「わ、悪かったから離しなさいよ」
「ふっ・・・」
ティファンは思わず笑みがこぼれ横を向く。
「あにがおかしいのよ」
ミトリアは眉をひそめた。
「いや、仲睦まじいのうと思うだけじゃ」
「あんたて結構ばば臭いわね」
「10歳の子供になにいうかがか!」
「あなた、いい話相手になりそうね。今度うちにこない?」
「別にわしの好感度上げても結婚できんじゃがの」
「ふ、誰が女と・・・」




