プロローグ
肩の力を抜いて、聞いてほしい。
この物語は、とある高校生の、一年生の一年間を描くものだが、少々注意点がある。
その話をする前に、前提として、あなたは、プログラミングというものを、ご存知だろうか?
一から十まで知っている必要はない。
前提として把握しておいてもらいたいのは、『型』の概念だ。
型の概念と言っても、実際にプログラミングができるほど知っている必要はない。プログラミングでは、簡単な計算をするにも、画面に文字を表示するにも、何かにおいてこの型というものを使い、桁というもので、扱えるものの大きさがあらかじめ決まっている。ということだけ知っておいてもらえばいい。
以上のことを踏まえた上で、この世界の人間の特徴を説明する。
この世界の人間は、生まれながらにして、それぞれの型を持って生まれてくる。
整数型を持って生まれて来たものは計算に強い、とか、文字型を持って生まれて来たものは言語能力が高い、などといったことは基本として、扱える桁数によって、その人自身の強さ弱さが決まってしまうと言った風に、多角的に人生に影響する。
話が長くなってしまったが、これから始まる物語は、そんなプログラミングの概念に支えられた世界で、人生をより良いものにしたいと奮闘する少年の青春の1ページだ。
どうか、気楽に、楽しんでいただきたい。