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40:不可侵領域の片鱗

「そういえば、まだこの目のこと話してませんでしたね」

「さっきあの男達に使ったやつだよね?目の色赤と紫になってるのもそれが理由?」

「はい、《恐怖の瞳》と言いまして、両目で見ると恐怖を与える物なんです。強さは変えられてもオフにすることが出来なかったので……」

「そうだったんだ……どれくらいの強さに出来るの?」

「えっとですね。人相手に使うと、弱いと震えるくらいで、中くらいだと立てなくなって、強だとショック死するくらい。らしいです……」

「凄いね…………見ただけで死ぬんだ。つまりさっきの時は強にしたんだね」

「そうですね。大変なことも多いんですが、便利な時もあるので結構重宝するんですよ、眼帯を付けないといけないのは不満なんですけどね」

「えー? 眼帯も似合ってるよ?」

「そうですか? ふふっ、コスモスにそう言って貰えるなら良いかもしれませんね」



 それから、私達は定期的にセーフティエリアに戻りながら、魔物を倒しに博物館内を巡り、数時間が経過した。


 その間に、秋川さんはLv18に上がったようだった。


「なかなかLv20は遠いね……」

「もしかしたら、上がりにくいLvのラインとかがあるのかもしれないです。私も19から20の時は中々上がるのに時間がかかったので」

「そうなんだ……。これに関しては色々な魔物を倒すしかないのかな」

「塵も積もれば山となると言いますし、少しずつ繰り返せば強くなりますよ」

「うん……そうだね。あ、そうだよ! 強くなるといえば! ライブラが武術をやってたって聞いたときはびっくりしたんだよ。その双剣捌き、スキルじゃなくて実力だったなんて……」

「高校に入るまでは色々習ってましたからね。この双剣も…………こう双刃剣に出来まして、こう! そしてこう! という感じにも使えるんです」


 双刃剣を1本にして、何度か振ってみせる。


「凄いかっこいい……ライブラ、こういうのをギャップ萌えって言うんだっけ」

「ギャップ萌え……ですか? ギャップはあるかもしれませんが、萌える要素は無いのでは」

「萌えるの! 綺麗で優しくて、強くてかっこよくて、たまに怖かったりかわいかったり! ライブラはギャップ萌えの塊だもん!」


 どうしよう。何も理解できない。どうして私が萌えるの? なんで?


「あー何も分かってない顔してる。でもいいの、そういう所は私だけが知ってればいいもん」

「そう……ですか? ってあれは……マネキン?」

「へ、何あれ?」


 通路の真ん中に、顔が鏡になっている白いマネキンが置いてあった。


「何あれ、動く気配は無いけど。少し不気味」

「なんでしょう……ちょっと見てみましょう」


 こういうのは《鑑定》するに限る。どれどれ……


□□□□□

不可侵の鏡面人形 Lv.1

HP:1/1 MP:0/0

耐性

火:0 水:0 氷:0 雷:0 風:0 地:0 光:0 闇:0 物理:0

□□□□□


「「えっ?」」


 結果があまりにも奇妙なせいで、2人揃って声が出た。


「どういうこと? おかしくないこれ?」

「そうですよね、どうみてもおかしいです。絶対何かありますよ」

「何もしてこないからスルーしてもいいけど、どうする?」

「HP1なんて初めて見ましたし気になります。出来れば倒してみたいですね」

「そっか、分かった。でもどうするの? 不可侵というからには、攻撃したらどうなるか分かんないけど」

「首の所を狙ってみます。明らかに非生物なので、効くか分かりませんが」

「分かった。サポートはするけど、気を付けてね」


 不可侵……侵害、つまり攻撃を許さないということ。そんなこと言われてしまうと倒してやりたくなってしまう。

 何をするか分からない以上考えようが無いし、一度攻めてみよう。《閃撃》《命刈り》!


 私はマネキンの首に向かって、高速で剣を振り、一太刀を入れた。そして……



 ――ザシュンッッ!!





「ぐぁっ!? ……かはっ……………………」

「ライブラ!?」



 私の首が切り裂かれ、その後間もなく死亡していた。

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― 新着の感想 ―
[一言] いや名前からどうなるか察してよw
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