表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/127

39:博物館探索

「それじゃあライブラさん、一旦戻ろうか。それと、これからはどうする?」

「やりたいことをやりたいだけ楽しもうと思います。お陰で吹っ切れました」

「そっか、それなら良かったよ!」

「ところで、もうライブラとは呼ばないんですか?」

「へ?」

「さっき、ライブラと呼び捨てで呼んでたじゃないですか」

「へっ、嘘?! えっと……嫌だった?」

「いいえ? 寧ろ嬉しいですよ」

「そう……? それじゃあライブラ、私のことも呼び捨てで呼んで?」

「はい、コスモス。これからもよろしくお願いします」

「うん! こちらこそよろしくね」


 呼び捨てっていうのは何かちょっと嬉しい。


「それでは、1度戻るかこのまま進むかどっちにしましょうか?」

「うーん…………ライブラは今から戦える? 大丈夫?」

「はい、問題ないですよ。コスモスはどうですか?」

「私も大丈夫。じゃあ奥行っちゃおうか!」

「そうですね、進みましょう!」




 奥に進む間、魔物に出会わないので私達は雑談しながら歩いていた。


「ところでさ、会った時に戦おうって話したじゃん?」

「そうですよ。今からちゃんと戦いますか?」

「ううん、さっきライブラにあそこまで抑えられちゃったし、今回は私の負けだよ。私まだLv20にもなれてないから、ちゃんと戦えないし。強くなるから! そしたら今度はちゃんと戦おう!」

「分かりました。もう一度約束ですよ」

「うん、待っててね。あっ、そういえばイベントの鬼のスキルで何か言おうとしてなかった?」

「そうでした。どう言おうか悩んでたんですが、今なら心配ないですね。実はあの4つのスキルの内の1つ《密殺術》。あれと同じ名前のスキルを私も持ってるんです」

「おぉ、すごいよライブラ! その、殺戮の影響で手に入ったってことだよね? 話して大丈夫だった?」

「はい。だって約束してくれましたし、何より友達なんですから」

「えへっ、ありがとう! 情報出してくれるんだから、最終ラウンドまで勝ち残らないとね!」

「それでスキルの内容なんですが――」



「30秒間姿を消して、誰かを倒したら効果時間がリセットかぁ…………姿が無くても油断してたらやられかねないんだね……」

「はい。それと、このスキルは対集団で真価を発揮するんです。鬼が大人数を追いかける形式の今回のイベントでは無類の強さを誇ると思います」

「集団の中にいると巻き込まれてやられるんだよね。突然死する人が出たら注意だね」

「そうですね。御影の方はこれで大丈夫かと」


 《超速移動》とやらは移動速度上昇で間違いないのでこれはスルーする。問題はもう1体の方だ。


「断魂の方は私も情報が無いんですよね……」

「《斬魄刀》と《影踏》だっけ。想像だけど、《影踏》の方は移動速度を落とすか動きを止める感じなのかな?」

「可能性はありますね。近付かれないようにするのが最適になるかもしれません」

「《斬魄刀》は魂を斬る刀みたいな意味だけど、それの効果分かる?」

「こちらは恐らく即死効果のあるスキルでは無いかと」

「そうだ、ドレスの効果の時に即死耐性って言ってたね。そんな恐ろしい効果のスキルなんてあるの……?」

「ありますよ。といいますか、私も即死効果付きのスキルは持ってますよ。発動が低確率という条件付きですが」

「そっか、あるんだ……」

「即死ですから、そう連発出来るものでもないと思います。ですが、MP大量消費により即死を高確率で発動するスキルであれば……」

「MP無限のあの鬼なら連発出来ちゃう訳なんだね……」

「はい、あくまで可能性ですが…………」

「はぁぁぁ…………。どっちも見つかったらほぼアウトってことかぁ。思ってた以上に大変そうだよこのイベント」


 私は《密殺術》を使えるし、対抗策に《心の目》もあるから良いところまで行けるかもしれないけど、大抵のプレイヤーにはかなり厄介な相手だと思う。

 っと、中々時間がかかったけど初魔物が来た。


「来ましたね」「来たね」


「ブルァァァァッ!」


 見るからに馬だ。全体的に黒毛で見上げる必要があるくらいには大きい。《鑑定》。


□□□□□

烈焔の炭馬 Lv.18

HP:2500/2500 MP:700/750

耐性

火:80 水:-40 氷:0 雷:0 風:0 地:0 光:0 闇:0 物理:0

□□□□□


「なるほど……私がやってみていいですか?」

「うん、お願い」

「では、《密殺術》使ってみせますね。コスモスは下がってください」


 姿を消した所、馬は反応してこないので場所は分かっていないらしい。それなら話は簡単だ。《閃撃》!


 ――ザンッッ!!


「よし」


――烈焔の炭馬を倒しました――

――644ネイを獲得しました――


「おぉ……これが《密殺術》かぁ。……ところで、ライブラ今どこにいるの?」


「ここですよ」

「ひゃっ!?」


 秋川さんの背後に立ってみた。思ったより驚いて貰えたようで何よりだ。


「凄いね……いつの間に、気配全くしなかったよ。こんなこと出来ちゃうんだね」

「消せるのは姿だけなので、触れられたら分かりますし、音や気配は自力でどうにかする必要があるんです」

「気配は自分で消してたの?! それにしても、イベントで今のされたらやられちゃうね」

「あと、姿は自由に現せるんですが、その後30秒CTが入るのでそこも重要です」

「なるほど……後でまた使ってみてくれる?」

「えぇ、勿論ですよ。ひとまず先に進みましょうか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ