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34:第1回イベント情報確認

 次の日の朝、ログインした私はまず新幹線の確認に向かった。


 ……えっと、次の京都に向かうのが1時間後で、席を一般席、半個室席、個室から選ぶと。人少ないな、ガラガラだ。人と顔合わせるのは避けたいし、半個室にしとこう。


 さて1時間どうしようか。ログアウトして待つとなると10分だけど、うっかり逃したら嫌だから素直に待っていよう。魔物を探すのには短いし。

 そういえばこの辺りの魔物見ようと思ったけど結局会えなかったな。あの男共4人のせいだ。全く……


「あの……すいません」

「はい、何でしょうか?」


 同い年くらいの赤髪の女の子に話しかけられた。


「その……昨日は大丈夫だったでしょうか」

「昨日? 特に何もありませんでしたが」

「そうでしたか……なら良かったんですが。あの男達、女子を路地裏に連れて行って酷いことをするらしくて。それも集団な上、姑息で強いので……止められずすいません」

「何もされなかったので心配して頂かなくて大丈夫ですよ」

「それなら本当によかったです……ログインしなくなる子もいたので。突然話しかけてしまってすいませんでした、それでは失礼します!」


 あの男達って強かったの? 《恐怖の瞳》の中程度で動けなくなってたけど。私もしかして全体的に見ても強い方に入ってるのかな? だとしたら喜ばしいことだね。

 暇だし掲示板でも見て時間潰そうか……




 時間になったので、私は新幹線に乗り込んだ。幸い人には顔を合わせること無く指定席に辿り着けた。


 引き戸で外からは見えないようになっている。中には座席にサイドテーブル、ドリンクホルダーと窓がある。


 うん、問題なさそうだ。

 折角だしコンビニで買ったお菓子なり飲み物なり食べてみようか。


 《インベントリ》からポテトチップス、クッキー、チョコなどの袋を取り出し、サイダーのペットボトルをドリンクホルダーに置く。


「どれどれ……」


 一通り少しずつ口にしてみる。この世界初めての飲食だ。


「うん、普通」


 普通に美味しい、現実でもよくあるような味だった。手が汚れないのは現実より良いかもしれない。


「あっ、イベント」


 昨日イベントがお知らせに出ていると聞いていたのを思い出した。移動中は食べながらこの確認でもしようかな。




 『影からの逃走』ねぇ。

 イベントの概要から見てみたけど、これ分かりやすく言えば鬼ごっこだ。鬼は魔物で、エリアはショッピングモールや遊園地、街中など色々ある。数ラウンドに分かれていて、時間内に殺されなければ次ラウンドに進み、最終ラウンドは勝ち残り制。長く生き残るほど報酬が増えるようだ。プレイヤーへの直接攻撃は不可能らしい。

 サービス開始して間も無いし、戦闘能力は求められないイベントになったのかな?


 って、鬼のステータスも一部公開されてるのね、どれどれ……


□□□□□

断魂の鎧武者 Lv.80

HP:300000/300000 MP:∞/∞

耐性

火:99 水:99 氷:99 雷:99 風:99 地:99 光:99 闇:99 物理:99

スキル

《斬魄刀》《影踏》他……


御影の鎧武者 Lv.80

HP:300000/300000 MP:∞/∞

耐性

火:99 水:99 氷:99 雷:99 風:99 地:99 光:99 闇:99 物理:99

スキル

《超速移動》《密殺術》他……

□□□□□


 うん、ステータスの暴力が酷い。全耐性99%って実質HP3000万じゃない。あと、御影の方のスキル、《密殺術》って私のスキルと被ってるし。

 こいつらに即死スキルって効果あるのかな? 一発攻撃受けたらこっちが即死されるでしょうけど。倒せる可能性があるのなら試してみたい。

 ん? 『こいつらを倒せる方はいるのでしょうかね? システム的には倒せますが、そんなことをする人が現れるのであれば一度あってみたいですね……運営より』

 なるほどねぇ? ダメージを無効化にしてない辺り、多分出ると思ってるんだろうね。毒とか割合ダメージとか、それこそ私も使える即死とか。幾つか手段はありそう。

 でも1回死んだらお終いだし、基本は逃げで行こう。


 それで参加するには、ここから申し込めるね。これで大丈夫……って何か出た。タブレット端末?


□□□□□

イベント『影からの逃走』用タブレット Lv.1

耐久力:∞/∞

イベント『影からの逃走』の為のタブレット端末。イベント中情報の閲覧、試合の観戦、交流用マップへの転移などを行える。

※イベント『影からの逃走』終了時に消失する。

□□□□□


 転移は…………ここじゃ出来ないのね。まぁイベント開始はリアルで3日後だ。それまでの期間のどこかで行こう。


 今は情報の確認をしながら到着を待とうか。

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