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18:力と代償

 さーて4階だ!よし魔物狩るぞー!



 ……うん、テンション無理矢理上げて現実逃避するのはやめよう。4階の魔物相手にスキルの効果くらい確かめておかないと。

 この階の敵のLv20~25だったはずだけど、《チュートリアル》のアナウンスは入らないんだね。基準どうなってるの?


――Lvの数値に加え、本人の戦闘技術や相性、場の状況により判断されます――


「うわっ!?」


 って、何かこの流れデジャヴじゃない?

 《チュートリアル》を意識してたら心の声の質問にも返して来るのね。なら、2つ確認しておきたいことがある。

 何だか私のLv妙に上がるのが早い気がするんだけど、あと私のスキルが軒並み物騒なのは何で?


――レベルアップは魔物を倒した際の経験値の数値だけではなく、実際の戦闘経験や技術の向上も含まれ、合算され行われます。そのため魔物固有の経験値というものや、経験値テーブルというものは存在しません――


 へぇ、そこはAIとかで判断してるんだろうね。じゃあスキルは……


――スキルの習得及び強化は、それまでの行動や思考などに基づく内容、また戦闘形態の補助や強化のための内容となります。即ちスキル内容は、あなたの行いによって齎されたものになります――


 やっぱりそうだったのね、つまりは私の影響というか私のせいだったの。てか《チュートリアル》さん、なんか言い方に棘が無い?


 実際強くなっているんだろうし、これはこれで良いだろう。それじゃあ魔物狩りと行こうか。



 ここの階もゾンビなのね。でも下のと比べると、どことなく動きが速いような…………って遅くなった。何だ?



 ……あ【恐怖の瞳】のせいか。50mくらい距離あるよ? 条件が『姿を確認した相手』だからだろうけど、射程=視界なんてことある? んー、ダンジョン内だとこれ以上の距離は試せない。

 強さは可変だったっけ、今は…………これで弱ね。ゾンビ達こっち向かって来てるけど、まずは中に……


「「ヴァ…………グァァ……」」

 また遅くなった。声が引いてる感じもするし、でもこっちには向かって来てる。中だとこれくらいなのね。じゃあ強。


「「「ヴァッ?! …………グァ…………」」」

 あ、止まった。というか若干引いてる。ってあなた達私よりLv上でしょう、それに集団だっていうのに。うん、強は名前通りかなり強いね。これなら怯ませるのにも使えそうだ。それにLvに多少差があっても大丈夫らしい。

 基本は弱か中にしよう。流石にずっと強はまずそうだしね。とりあえずあいつらは殺ろう。



 ――うん、下の時と変わんないね。下の階でLvが6上がる前でも戦えてたし、階が上がって魔物のLvが5上がっても戦えないことは無いね。

 どこかで《狂化》も試したいんだけど、どこかに丁度いい相手はいないかな……



 ここは広間か。多分下の階と作りが同じみたいだから、さっきまでいた所と同じ所っぽいね。


 見たところ敵はいなくて……下の時と同じアイテムの箱がある。

 あっ、もしかして下では箱を取ろうとしたら、ゾンビの集団が出てきたって所だったのかな?だとしたらここでも何か出るだろうね。


 今のステータスは…………HPは良いけどMPが残り少ないか。《狂化》使うなら都合がいいしこのまま行こう。


 箱に近付いて行くと…………


「「ヴァァァ…………」」

「「グァァ…………」」


「グルォォォ……」


 やっぱり出たね、ゾンビは30体くらいいるね。それに、明らかに目立ってるあのデカいゾンビだ。体長2mは超えてそう。一先ず見てみよう、どれどれ、《鑑定》。


□□□□□

暴威の屍 Lv.25

※詳細鑑定不能※

□□□□□


 へぇ、ダンジョン高層なだけあって中ボスもいるってことかな。

 さぁ行こうか!《恐怖の瞳》強!


 普通の奴は引いてるけど、デカい方は引かないね。ビビってはいそうだけど。

 それじゃああれを試そう! 《狂化》!……


 …………っっつぁ! 意識が…………


「うふ、ふふふ………………あははははははっ!!」



 ――なるほど、面白い。確かに意識が敵にしか向いていない感覚がある。でも自分が自分で無くなることはないし、自分で動ける。


 でも凄い!! この興奮! 高揚感! これが【狂化】なのね…………さぁ、殺ろうじゃない。


「さぁ殺し合い(あそび)ましょう?」



 ――凄い……楽しい…………

 雑魚はすぐ蹴散らし、あっという間にデカいゾンビと1対1だ。こいつ、動きは他とは比べ物にならないくらい速い、まともに戦えばいい勝負だったのでしょう。


 だが《恐怖の瞳》、これのお陰でただの蹂躙と化してしまった。

 攻撃は鈍っているし、防御も遅い。この双剣だと威力に限界があり、切り落とすまでは至らないがかなりの数攻撃が入っている。

 さぁ、これで終わろうか。《命刈り》。


「あははははっ!」


 ――――ザシュッ!!




 ふぅ、死んだね。これで終わり…………




 ――――ベギベキバキボキ…………


「あ゛あ゛あ゛あぁぁっっ………………!!!!」



 突然頭を捻じるような痛みが私を襲った。



 痛い痛い痛い痛い!! 何? 何が起きてるの!? ステータス?!


□□□□□

ライブラ Lv.17

HP:42/1160 MP:0/281

耐性

火:0 水:0 氷:0 雷:0 風:0 地:0 光:0 闇:0 物理:0

スキル

《鑑定》《インベントリ》《チュートリアル》

《追風・強》《跳躍・強》《治癒・弱》《静音・中》《隠密》《首斬り》《暗殺・強》《閃撃》《見切り》《命刈り》《狂化》《恐怖の瞳》

※状態異常:【MP異常消費】

□□□□□


 あー…………そうか。《狂化》の間MP少ないっていうのにスキル使ってたか。それでMPの消費の不足分を、HPと状態異常に持ってきたと…………


 とりあえずMP回復薬とHP回復薬ね、《インベントリ》…………



 ――はぁ、酷い目に遭った。《狂化》のMP消費をケチろうとすると、こんなことになる訳か。

 これならここぞって時じゃなければ、使わない方が良いかもしれないね。代償がかなり大変だ。



 それじゃあ、箱の中身は何かな?

 って、黒のドレス? 丈は膝の辺りまでで……デコルテの部分露出度高くない? 肩の横に布があるだけでノースリーブ、首の前側にはレース生地がある。

 肩と首に腕と脚まで出るって、流石にちょっと恥ずかしいんだけど。外で着て歩くにはデザインが…………いや、ギリギリ違和感無いかな?


 軽いし、動きやすい素材ではあるけど、露出が多いんだよ本当に。露出度と動きやすさは比例しがちだけどさ、にしてもだよ。流石に胸元まで出てなくて良かったよ、谷間なんて出来ないけどさ。


 一応《鑑定》はしてみるけど…………


□□□□□

冥府の瘴霧 Lv.20

※詳細鑑定不能※

※Lv不足のため装備しても効果が発動しません。

□□□□□


 うん。それは予想通り。Lvもここでは1しか上がってないからね。名前に関しては、ゾンビ→死者→冥府って所かな?

 一先ずこれは《インベントリ》に仕舞って、もう1階に戻ろうかな。流石に疲れてきた、ログアウトして休憩もしよう。


 どうやら、ダンジョン内ではログアウトが任意強制共に出来ない仕様らしい。



 さて、今後はLv20目指して頑張るか……

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