15:狂気による蹂躙
※一部に暴力的な表現が含まれますのでご注意ください。
少し進んでみたけど、幅4mくらいの通路に扉が並んでるよくある病院の内装だ。なんだけど、雰囲気がお化け屋敷とかのそれなんだよね、妙に薄暗いし。
窓は叩き割ってみようとしてもびくともしないし、外も真っ白で確認出来ない。これは俗に言う、見せられないものを隠す謎の光というやつか。
そんなことより、恐らく本番は扉に入ってからだ。鬼が出るか蛇が出るか分からないけど、いざ!
――ガチャン!
「「ヴァァァ…………」」「グァァァ…………」
これは……ゾンビと来たか、《鑑定》
□□□□□
怨嗟の屍 Lv.17
※詳細鑑定不能※
怨讐の屍 Lv.18
※詳細鑑定不能※
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さて、ゾンビは2種3体。人型だしやっぱり首を狙うべきかな、《追風・中》《閃撃》!
まずは1体!
――ザシュッ!
動きは遅い。次は奥の2体!《閃撃》!
「はっ! …………せいっ!!」
「グァァッ……」
――怨嗟の屍を倒しました――
――怨讐の屍を倒しました――
――940ネイを獲得しました――
ゾンビって生命力高いからすぐ死ななそうなイメージだったけど、首から上下に分断したら死ぬんだね。既に死んでるのに生命力はおかしいかな? まぁいいや。
にしても病院でゾンビで怨讐とか怨嗟って。現在にこの病院残ってたら、風評被害で名誉毀損待った無しじゃない?
――ガタン…………
ん? ってうわっ、外からゾンビ入ってくることもあるのね。まぁ首を落として死ぬんだったら問題ない。
さあ、続きと行きましょうか。《追風・中》!
「「「グァァァァ…………」」」
ゾンビ共は集団で掴みかかったり殴りかかったりしてくるが、何も問題はない。
「遅い」
「グァァッ…………」「ヴァッ……」
それに人型というのはやはり殺り甲斐がある。人に近いとそれだけ私の気が昂るというものだ。
「――あはっ」
「ヴァァッ!」
何度来ようとも私は首を斬り落とし続ける。
「ふふふ……」
あぁ、本当に愉しい――
「あははははははっ!」
さぁ、もっと私に殺させ続けて?
はぁ…………足りない。30体程度で止まってしまったか。どこかに殺し甲斐のある相手は…………
いた。
広間のような所には、ゾンビが40体、それをプレイヤー男1女2が相手にしているようだ。パーティでも組んでいるらしい。
何より、全員Lv.21か22なのだ。
「へぇ……面白そうじゃない」
横入りだとかは今はどうでもいい。私のこの興奮を満たせるのなら、この程度のマナーなら捨ておけば良い。
ゾンビと人間共々殺ってやろうじゃない。《隠密》《追風・中》《静音・弱》《閃撃》。
近くのゾンビからだ。あんた達は精々前菜だ、経験値の足しにでもなってもらおう。
「はっ………………」
――ザシュッ……
これで20体――
「ふっ………………」
――バシュン…………
30体、弱い――
「………………」
「ヴァァッ………………」
これで最後。
はぁ、楽勝過ぎてつまらない。《隠密》だけでこっちを一切認識出来なくなっていたし、前菜にもならなかった。
まぁいいや。だってメインディッシュが3人もあるんだから。
「な、何だこれ……」
「誰?誰か居るの?!」
「分かんない……何……?」
なんだ、正面にいる訳でもないけど目の前で殲滅してたというのに。《隠密》使って動き続けてる私に気付きすらしないのか。それじゃあ、恐怖しながら死んで貰おうか。
まずは面倒そうな男からね。ダンジョン内だし多少装備はあるね、革鎧だけど。それに首を守らないって守る気はあるの?
こいつは1発で殺りましょうか。――――死ね。
「がはっっ…………!」
「何!? 何が起きて……」
「ひぃっ…………助けて…………」
よし。次は背の低い方の人にしよう。こっちは少々嬲らせて貰おう。ひとまず手足だけ落とそう、《閃撃》から…………斬る!
「いあああぁぁぁっ……!!」
「なぁっ! 大丈夫、ミコ?!」
「ひぅっ…………何…………怖い…………助けて…………」
ふふっ……いい感じだ。
それじゃあ背の高い方の人。唖然としてるね。でもここでそれは甘すぎじゃない?
それじゃあ、まずは目を潰そう。すぐ死なれたら困るから、注意して…………それっ。
「ぁあ゛っ…………目が…………」
後は全身を切り裂いていく。腕、肩、腹、脚……いいね。2人とももう表情が恐怖1色だ。
さてこの人はもういいや、殺そう。《閃撃》。
「かはっ…………」
最後に背の低い方の彼女だ…………あはっ。
あぁっ、いいなぁその顔。真っ青になって見るものの理解を拒もうとするその目、口も震えて動かせず禄に声も出せない。
こんなこと現実世界じゃ絶対体験出来ないね。
……っと、うつ伏せになられるとちょっと困る。足で転がしてと…………ついでに腹に踵落とし入れてやろう。
「ぁ………………かふっ…………ぅぇ…………」
上に跨って……それじゃあ、まず目を抉り取らせてもらおう。
――グチャッ…………ベチャッ……
あとは剣を口から喉に刺して、と。ゆっくりと闇の中で死んでいって貰おう。
「…………ぅ………………ぃぁっ…………」
「うふ、ふふふふ…………あははっ!」
ああもう最高最高最高!!!! 私の手で恐怖に陥れて殺していく時の高揚感! こんなに興奮することがこの世に存在したなんて!
それに最後の彼女、なんていい顔をしてくれるの! 正直見た時から嗜虐心が刺激されて仕方なかった。声も顔も身体も、全てが私の理想通りの反応だ……
「……あぁ楽しかったぁ!」