序章ー1 魔王城の決戦
初めまして。あおいろと申します。
小説家になろうでは、初投稿となりますのでよろしくお願いします。
遠くで雷鳴が轟く音が聞こえる。
それを合図に、勇者ーライアン・マスタークは重量感のある両開きの扉を開け放ち、魔王城の玉座の間へと赴いた。
伝説の剣を握りしめ、青色のマントを翻す背中は頼りがいがあると言う奴はいるが、今は緊張に強ばっている。
この時ばかりは、さすがに普段の様にはいかないようである。
しかし彼は、「皆、絶対に勝つぞ!」と振り返らぬまま、仲間達を鼓舞してきた。
「あぁ、戦士の俺が傷を付けさせねぇよ。」
「…僕の魔法は、いつでも撃てます。」
「…か、回復は、任せてください。」
それに他の仲間達も、それぞれ口々に同意するように意気込みを語りつつ、戦闘体勢を整えて後に続いていく。
俺も無言のまま、追いかけた。
玉座の間は、息苦しい空気が立ち込めるだだっ広い場所だった。
石造りの四角い部屋。両側の壁には禍々しい石像が並び、床には血の様な真っ赤な絨毯が敷かれている。
そこの中心に設置された豪華な金の玉座で、踏ん反り返りながら、魔王ーガルディー・ガルードは座っていた。
大きな身体を頭まで真っ黒なローブを纏い、隙間から覗いている血走った鋭い目で、睨み付けている。
威圧的な様子に、こちらが身構えていたら、
「ー待っていたぞ、…勇者パーティーよ。」
と、おどろおどろしい奴の声が聞こえた。
俺達は萎縮してしまう。
しかし、ライアンだけは臆する事なく、啖呵をきった。
「…ガルディー、お前を遂に倒す時がきた。」
それを聞いた奴も不適に笑い、
「ほざくな。…貴様を葬り去って、世界を我が物にしてやる。」
「上等だ!!…こっちこそ、人類の未来を掴み取らせてもらう。」
「いくぞ!!」と、ライアンの掛け声と共に俺達は武器を手に取り、一斉に配置へと移っていった。
ゆっくりと魔王も玉座から立ち上がり、咆哮を挙げながら迎えうってきた。