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~世界を救うために彼女は自ら闇へと堕ちていく~

作者: 霜月

 ――――何故君が死ななければいけなかったのだろうか。君が彼らに対して一体何をしたというのか


 ――――あの時君は世界を救うために自ら闇へと堕ちた。俺が堕ちるべきだったのに君は俺を押し退けて行ってしまった。もう二度と触れることの出来ないその手の温もりをあの日からずっと求めている。俺には君が全てだったんだ


 ――――そのために世界を救う勇者になった。君と共に暮らしたいという願いのためにずっと戦い続けてきた


 ――――君の優しさに何度助けられたと思う?君の笑顔が声が存在が俺に立ち向かう勇気をくれていたんだ。俺だけじゃない、君と関わった全ての人々がそうだったはずさ


 ――――でもソイツらは君を裏切った。姿の変わった君を見て。悪魔だと言い、石を投げた。世界を救ったのは君なのに。おぞましく醜いこんな奴らを何故救わなくてはならないのか


 ――――それでも君は笑顔を絶やさなかったね。どれだけ罵詈雑言を浴びせられようと笑顔を絶やさなかった君は本当に凄いと思う。だけど…死んでしまったら意味はないんだ


 ――――何故相談してくれなかったんだ。頼りにならないと思ったのか?だとしても一人で決めていいことじゃないはずだ。『助け合い』それが俺たちのパーティーの唯一のルールだったじゃないか


 ―――君は何を思って命を絶ったのか、最後まで人々の平和を願っていたのかな?


 ――――だったらこれからのことは目を積むってほしい。君がいない世界で俺は君を殺した世界を壊す


 ――――絶対に君はこんなこと許さないだろう。だけど同じくらい君を殺した奴らを許せないんだ


 ――――この世界を消せるなら俺は喜んで闇へと堕ちよう。さぁ…終わりを始めよう


 ******


 ――――ごめんね…何もも言えず貴方の前からいなくなることを許してね。貴方にはとても感謝してる。言葉では言い表せないほどに


 ――――貴方はとても強い人。だから私がいなくても大丈夫。なにも心配することはないよ。貴方の周りには支えてくれる人で溢れているから


 ――――私は貴方に生きてほしかった。だから闇に堕ちたの。気づいてたかな私貴方のことが好きだったんだよ?気づくわけないよね貴方は鈍感だから。でもそれでよかったのかもね


 ――――闇に堕ちたことで私の体は新たな魔王の依り代になりかけてたの。生きるのが苦痛になったわけじゃないからね。そりゃあ皆から石を投げられたのは悲しかったけど皆も怖かったんだから仕方がないよ


 ――――だからお願い皆を許してあげて。絶対に怒っちゃ駄目だよ


 ――――この世界を護った英雄なんだから堂々としなきゃ駄目。私は隣にはいられないけどずっと見てるから貴方の活躍を


 ――――でもね…本当のことを言うと死にたくなかった。怖かった。堕ちたことを後悔もしたよ。だってこれからの人生が無くなってしまうんだもん


 ――――だけど貴方のことを思えばなにも怖くなくなったの。本当の本当の本当に貴方のことが大好きでした。今までありがとう


 ――――手紙でしか伝えれない臆病な人間でごめんね…さようなら。貴方の人生に幸あることを願っています

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