異世界転生 脱出ルート
わたし「ううっ・・!」
わたしは自然と涙を流していた。
王妃「泣いてはいけません!王も姉達も既に捕らえられたのですよ!」
そういう王妃の瞳も、涙を貯めている。
王妃「もうゼウル王家は私たちしかいないのです!」
王妃「私たちがしっかりしなければ、もうこの国に未来はないのですよ!」
わたし「ふぐぅっ・・」
わたし「わたしだってわかってます・・」
わたし「こんな事してる場合じゃないって・・」
わたし「それでもお母様、わたし、わたしは・・・」
わたしはその先の言葉を飲み込む
わたし(トイレでうんこしたかったんです!)
わたし「ぐひぃっ・・!」
鼻水を慣れ流し絶望するわたしを引っ張る母。
王妃「ついにたどり着きましたよ!」
そこは暖炉だった。ここは王家と一部の側近しか知らない脱出ルート。
そこの暖炉の奥を押すと扉が開かれる仕組みだ。
お母様がその手順通り触れるとギィィィッと開かれる。
王家の者にしか開ける事ができない魔術が組み込まれてる為、ここまで
逃げ込んでしまえば助かる。
だが。
敵兵「見つけたぞ!王妃と第三王女だ!」
後ろから敵兵がなだれ込んできた。
王妃「!」
王妃はパールを暖炉に隠すように前に出る。
敵兵「追いつめたぞ!観念しろ!」
王妃「くっ・・・」
王妃は目線だけを後ろに向け語りかけるように言う。
王妃「後は任せましたよ、王妃パール」
パール「え?」
王妃「あなたは豊穣の女神なのですから」
そういうとドンと足で突き飛ばし、暖炉の奥に入れてしまう。
暖炉の脱出口は開かれ、わたしが入るとすぐに閉じられた。
わたし「お母さまあああ!」
わたしは慌てて扉に飛びつくが、もう開かない。
わたし「お母さま・・・」
母親が最後に行ったお言葉・・・
わたし(カッコよく言ってますけどそれ、)
豊穣の女神とは
わたし(元ネタうんこですから・・・)
絶望し、膝をつくパール。
わたし(蹴られたショックでちょっと出ちゃった・・)
王妃に押された衝撃がまずかったらしい。
わたし「うぐぅっ・・・」
もう限界寸前。
ここには一人。
後は王家としてのプライドの問題。
わたし「・・・・」
わたし(ここでしちゃおうかなぁ・・・)
わたし(どうせここは王家の者しか入れないし)
本来気品の象徴たる王家がしていい行いではないが、状況が状況である。
ここでこっそりうんこを・・
そんな事を頭によぎらせてると
王妃「放しなさい、無礼者!!」
お母様の悲鳴が響いた。
敵兵「よし、王妃を捉えたぞ!」
敵兵「あとはうんこ姫だけだ」
わたし「!」
慌てて体を起こす。
ドン
脱出口が強い衝撃で叩かれる。
恐らく敵兵がタックルでもかましてるのだろう。
だが、魔術で強化されてる扉だ。ビクともしない。
敵兵「ダメだ!開かねえ!」
思った以上の強度にお母さまのピンチなどすっとび
野グソを本格的にしようかな、などと思っていると
敵兵魔術師「サラマンダーマジック(炎の精霊魔術)」
敵兵魔術師「ファイアーショット!」
その瞬間、ズドオオンとけたたましい音が、脱出口の壁から鳴り響く。
敵兵魔術師「チッ!炎の魔術でも壊れないか!なかなかの防御魔術結界を張ってるらしい」
敵兵「だが、壊れかけてる!」
敵兵「あと何発か撃てば確実に壊れるぞ!」
敵兵魔術師「いいだろう!」
再び魔術詠唱に入る。
それを中から聞いていたパール。
わたし「まずい!」
慌てて駆けだす。
わたし(ここでうんこしたら、後から来た敵兵にわたしがうんこしたってバレちゃう!)
明かりのほとんどない暗い通路を駆けだす。
わたし(せめて分かれ道があって、わたしがうんこしたってバレない場所で!)
暗い湿った場所でもがき苦しみながらわたしは走る。
うんこが安心できる地を求めて。
同作者の作品
ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた
https://seiga.nicovideo.jp/comic/37013
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