異世界転生 敵襲
わたし「て、敵襲!?」
その単語は平和なゼウル王国には縁遠い話だと思ってた。
混乱するのも束の間、わたしの許可も得ず強引にバンと戸を開け
有無を言わさず手を取った。
わたし「ちょ・・!」
側近「早く脱出ルートからお逃げください!」
わたしの抗議の声を無視し走り出す。
わたしはされるがままだ。
だが、ここでようやく事態の深刻さを思い知る。
わたし「なっ!?」
窓から外を見ると火の海だったのだ。
王宮そのものが燃えている。
こんな光景は見た事ない。
その焦りもあって側近はかなり強引に引っ張って駆けだしている。
側近「しっかりしてください!王妃様も脱出ルートに向かっています!」
わたしもまた大変な事になっていた。
わたし(そ、そんなに強引に引っ張られると・・!)
わたし(うんこ出ちゃう・・!)
あの2年前のトラウマ再来だけはごめんだ。
今でこそ気を使われてか、”豊穣の女神”なんて呼ばれてるが
いつそれが”うんこ姫”に代わってもおかしくない。
なんとしてもトイレでうんこがしたい。
側近「ぐああああっ!」
前を走っていた側近が突然悲鳴を上げる。
わたし「!」
見ると側近が横から放たれた矢に射抜かれ、吹っ飛ばされていた。
わたし「側近!」
側近、という名前ではないだろうが正直名前は憶えてない。
側近はなんとか耐え倒れずに踏ん張った。
と、そこにドタドタと見知らぬ鎧を着た集団が駆けて来ていた。
敵兵「居たぞ!パール姫だ!」
敵兵「うんこ姫だ!」
わたし「っ!!!!!」
その言葉に一瞬意識が飛びかけたが、わたしもなんとか耐え倒れずに踏ん張った。
側近「豊穣の女神様だ!」
今はそのフォローはいらない。
相変わらず天然である。
側近は腰のサーベルを抜き、わたしを守るように前に出る。
側近「姫様、ここはわたくしめが食い止めます!」
側近「だからお逃げください!」
わたし「側近!」
側近「早く!」
わたし「くっ!」
事実戦えないパールがこの場にいても無力だ。
わたし「ごめんなさい・・・!」
わたしは多少引け目を感じながらも駆けだした。
敵兵「カッコつけやがって!」
敵兵「相手は一人だ」
敵兵「さっさとやってしまえ!」
敵兵が次々とやってくる。
側近「姫を守れて死ぬは本望!」
側近も迎え撃つようにサーベルを構える
側近「ご武運を。パール様」
同作者の作品
ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた
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