異世界転生 隣国王子
王子「ご機嫌うるわしゅう、パール姫」
わたし「!」
王子は思った以上にイケメンだった。
顔だけなら満点。
普段なら手を広げて喜ぶ所だったが、今は非常にまずかった。
わたしのお尻は現在非常事態の警告を鳴らしている真っ最中。
そのお尻があまりにイケメンに思わず緩んでしまったのだ。
ブビビビビビッブビイイイイイ
その瞬間世界の時は止まった。
民衆も王家も隣国王子も、パレードの音楽も動きが止まる。
スカートの中から垂れ流されるモノ。
地面を転がる謎の茶色い物体。
強烈な臭気。
そしてそれを発する犯人のわたし。
ここに集まる大衆の皆の目線が集まる。
わたし「っ!!!!!!!」
おそらくこの日、わたしの生涯で最も冷や汗が出た日になっただろう。
冷や汗で前が見えず、鼻の穴をふさぎ、溺れてしまうかと思ったほどだ。
いや、パールのこの時の心境は実際溺れ死にたかった。
永遠と思われた時が止まった瞬間、実際には10秒そこそこだっただろう。
わたしの天然ボケの側近が放った言葉で時は再び動き出す。
側近「パ、パール様は我々飢えた民草の為に我等に肥料を与えてくださったのだ!」
フォローのつもりだろうが凄まじくフォローになっていない。
だが。
国民「お、おおおおおお!」
国民「す、素敵な事ですわ!」
国民「あ、ありがとうございます、我等の為に」
国民「ぜ、パール様は豊穣の女神様だあああ!」
国民もそれに乗っかった。
気を使われてるのだろうが、トドメを刺してるようなものだ。
ちなみに民草は飢えてないし、それなりに裕福な国である。
人生最悪の日だった。
その日より、パールは引き籠ってしまった。
大衆の前に出る事ができなくなってしまったどころか
部屋から出る事すらできなくなってしまった。
両親共々わたしをどうにかして部屋から出そうともしたが
わたしが頑なにそれを拒んだ。
公務は姉達がいたのでパールがいなくても問題なくいけた。
わたし自身は完全にトイレの時以部屋から出て行かなくなってしまったのだ。
しかし、思い返すと全ての始まりはここからだった。
あの陰惨な事件の始まりは。
同作者の作品
ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた
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