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異世界転生 ロリコン

どうだ、とばかりの発言。


いや、まさか、あるいはもしかしたら、とは思ったが。


俺「・・・・・うわっ」


ギャル「引いてんじゃねえよ」


俺「アレか。ひたすらイッタイ内容の中学生ノートを他者に見せびらかすなろう系の」


俺は若干恥ずかしかったがそのジャンルを言う。


俺「異世界転生か」


ギャル「それだ」


否定しなかった。


俺「・・・・」


猜疑心の塊のような眼を向ける。


ギャル「いや、嘘じゃねえよ」


ギャル「これからテメーは異世界に行くの」


俺「魔法があるとか言い張るあの世界?」


ギャル「それ」


俺「俺はこれからその世界を救う勇者にでも転生するのか?」


ギャル「ん~・・まぁそんな感じ」


俺「テンプレかよ・・」


イタイタしいまでのテンプレ展開。


ギャル「信じてねえな」


ギャル「異世界転生得点やらねえぞ」


俺「あぁ、それもテンプレだったな」


俺はここだやっと体を起こし立ち上がる。


ギャル「ん?」


俺が立ち上がると妙な気配を感じたのか少し警戒する。


俺「つかさ・・」


警戒して当然だ、俺は怒っていた。


本気で怒っていた。


俺「何てことしてくれたんだ!」


俺が今まで、どんな思いでここまでこぎつけて来たと思ってるんだ。


あんな最悪な会社で我慢してたのは全ては・・


ギャル「な、なんだよ」


俺「あとちょっとで、あとちょっとで全てがうまくいってたのに!」


ギャル「何の話だよ」


俺「俺はあとちょっとで人生勝ち組だったんだよ!」


ギャル「はあ?」


心底意味が分からないという顔をするギャル。


ギャル「お前なぁ、女神騙そうったってそうはいかねえぞ。

こちとらテメーの経歴くらいわかってるんだからな」


どこからかバインダーを取り出し、中身を見る。


テンプレ魔法だろうか。


まさか本当に異世界転生?異世界ファンタジー?


イタイ創作物?


ギャル「お前酷いブラック会社で働いてたみたいじゃねえか。

毎日死に物狂いで働いて低賃金。パワハラ、暴力は日常で毎日ボロボロ」


ギャル「営業仕事先の評価は”詭弁使い”なんて呼ばれててまずまずの評価なのに

会社はお前の仕事を一切評価せず酷い扱い」


ギャル「むしろわたしに感謝してほしいね」


俺「わかってないようだな」


俺「その詭弁使いの俺が何でそんなバカバカしい会社で

何も言わずにパワハラ受けてたと思ってんだ」


ギャル「あん?」


俺「全ては会社をまるごと乗っ取って、30代にして年収一億の夢があと一歩だったのに!」


俺は叫ぶ。


そう、あと少しだったのだ。

あと一歩で届く夢の豪遊暮らし。


その為のちゃんとしたカラクリも作っていた。


ギャル「はあ?なんだそりゃ」


俺「くそお!全て裏で手を打ってたんだよ」


俺「傷害罪、暴行罪、脅迫罪、名誉毀損罪、侮辱罪、

精神科医にテキトウな事言いまくって書かせたうつ病治療費に

未払いの経費、残業代、手当て、全ての証拠を揃えて、訴えるつもりだったんだよ。

当然奴らは示談を求めてくるから口封じ分も上乗せして

判例から考えても4000万はいけるはずだった。

さらには逃げられないように関係者全員の全ての口座を調べ上げ、

経営者共が混乱してる間に会社の取引先を全てかっさらう。

俺は晴れて新しい会社の社長で豪遊!

そういう計画だったんだ!」


一気に俺の計画をまくしたてる。


そう、それが俺の計画だった。


同期の連中が次々と辞めてくなか、俺だけが我慢した。


全ては俺をバカだと思い込んだ連中をまるごと喰う為に。


俺「それを・・それを!!」


俺「全ておじゃんにしやがって!俺の努力を返せ!」


ギャル「なんて歪んだ努力だよ」


「歪」いいえて妙だが、ブラック会社に働いてる以上、

性格が歪むのも致しかなないだろう。


俺はさらにまくしたてる。


俺「生きがいを返せ!」


俺「いや、生き返せ!」


ギャル「無理」


一言でばっさり


ギャル「死んだ者は生き返せない。お前は完全に死んだんだから当然生き返すことはできない」


半場そうかなとは思っていたがやっぱりそうだったか。


もう認めるしかない。


俺は死んだ。


死んでおそらくその異世界とやらに転生するのだ。


俺「・・・・・」


だがこれくらいは想定の範囲内だ。


ここからが”詭弁使い”の本領発揮だ。


俺「何が生き返せないだ。勝手に殺しやがって」


俺は静かに言う。


ギャル「わたしが殺したみたいに言うなよ。お前の命運が尽きただけだ」


俺「いいや、嘘だね」


ギャル「嘘じゃねえよ」


俺「いいや嘘だ。俺は聞いたんだぞ!”異世界転生RTA”がとうとかって」


ギャル「!」


ギャル女神は旗色が悪くなったのか、少しひるむ様子を見せる。


そう、俺は確かに聞いた。


目覚める直前だったから、うっかり聞き逃す所だったが、そういう所は絶対逃さない。


俺「RTAってあれだろ?ゲームで言うところのクリアタイムを競う」


俺「お前、俺をゲームの駒みたいに使って転生までのクリアタイムを競ってたろ!」


ギャル「ちょ、ちょっと転生したまでのタイム測ってただけだろ。

お前の命運があそこで尽きるのは決まってたんだよ」


俺「それを証明できるのか!」


ギャル「証明って、お前なぁ・・」


さっきまで偉そうな態度で饒舌に喋っていたギャル女神が口ごもってくる。


ギャル「どちらにしたって生き返るなんて事はできないの。諦めろ」


俺「本当に?」


ギャル「あのなぁ、生き返るってキリストにでもなるつもりか?そんなのは特例中の特例。諦めろ」


という事は特例ならばありえるって事か。


とはいえキリストになるつもりはさすがにない。


俺は諦める様子を見せつつ、交渉終着点を切り替える。


俺「なら生き返る以外の事をよこせ」


ギャル「生き返る以外?」


俺「お前、さっき異世界得点言ってたな」


ギャル「ま、まぁ言ってたけど。何だよ。何か欲しいものでもあるのか?」


俺「お前は俺の壮大な夢をぶち壊したんだ!

ならば異世界転生得点とやらもそれ相応のものを要求するぞ」


ギャル「・・・何だ?お前もチート能力とか欲しいのか?」


俺「その前に約束しろ!俺の要求は必ず通ると!」


ギャル「まぁ、ある程度のは許してやるよ」


許可が下りた。


俺「俺の要求する異世界転生要求は」


俺はここで大きく息を飲む。


俺の持つもう一つの秘密を頭に浮かべ。


決して前の世界で言えなかった俺の秘密。


ブラック会社を乗っ取る以上の秘密。


その欲望を。


俺「好きな時に好きなだけ幼女にズコバコする権利だ!」


ギャル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


引いていた。


声も出ないほどに引いていた。


そう、俺はロリコンだった。


日本社会では肩身の狭いロリコン。

2次元の虚構にしか性の対象を見出してはならぬ悲しき存在。


完全なるロリコンだ。


俺「もっと具体的に言うなら9歳から13歳くらいの幼女の穴に

 俺が出たり入ったりするアレの事だ!」


ギャル「具体的に言うんじゃねえよ!ドン引きだわ!このロリコン!性犯罪者!」


俺「ふははははは、好きなように言うがいい!異世界転生者はロリコンが多いくせに

 皆何故これを望まないのかと思っていたが、俺は望むのだ!」


俺「ブラック会社で誰彼構わず土下座しまくった俺に羞恥心などないのだあああ!」


ストレス社会の心の闇が全部吐き出されたように悪者のように笑う。


俺「まさかできないとはいうまい!女神とあろう者が約束を違えると?」


ギャル「・・・・・・」


ギャル女神は汚い者でも見るようにさげすんだ目で俺を見る。


どうとでも思うがいい。現実社会できなかった事を望むのが願望というものだ。


ギャル「まぁ・・・いいや」


仕方なくと言った感じだが、了承した。


俺「え?マジで?」


と願った俺も、面くらう。


さすがの俺も言いながら無理だろうなと思ってたからだ。


ここから徐々に願い事のランクを下げて、普通なら叶わない願いを叶えるつもりだった。


交渉術の基本である。


最終的に幼女を嫁にもらう、これくらいはいけるかなぁ、などと思っていたが。


なのに最高難易度の願い事が叶ってしまった。


ギャル「転生先で好きなだけ幼女にズコバコしてろ」


俺「!?」


まさか本当に・・!?


俺が呆けてるとギャル女神はさっさと仕事を済ませたいかのように

パチンと指を鳴らす。


その瞬間、自分の体がストンと落下する感覚が入った。


異世界に行くのか!?


本当に!


つまり俺は幼女に出たり入ったりしていいのか?


「めがみさまああああああ!ありがとおおおおおお!」


俺は最後に感謝の礼をのべ、その暗黒世界から出た。



同作者の作品


ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた

http://seiga.nicovideo.jp/comic/37013

連絡用

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