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異世界転生 追いかけっこ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

敵兵「パール様~出てきてくださーい、怖くないですよー」


敵兵が妙な猫ナデ声で呼びかけてくる。


私たちは今、敵兵の目から逃れるように必死に隠れていた。


敵兵達は目の前に来ているが、体の小ささを生かし

民家の排気口に潜んでいる私たちを見つけられずにいた。


あの獣人の家でごちそうになってから丸一日何も食べれてない。


こうやって隠れて敵をやり過ごすしかないのが現状だ。


敵兵「何も痛い事しませんよー。おいしいごはんがありますよー。ケーキもありますよー」


わたし「え?」


神ちゃん『ば、バカつられるんじゃない!』


神ちゃん『出てけば殺されるだけだぞ!』


わたし「・・わ、わかってるよぉ」


別に本気でつられそうになったわけじゃない。


いい加減お腹がすいたのも自覚している。


しかし全然見つからない私たちに敵兵も段々殺気立ってもきている。


敵兵「くそ、どうする?」


敵兵「多少痛い目見せても連れて来いと命令を受けてる。

 人員を増やし人海戦術でいっきに引っ張りだすしかない」


と不穏な事を言い出していた。


神ちゃん『まずいな、さすがにそんな事をされてたら隠れてやり過ごすのにも限界がある』


わたし「どうするの?」


というわたしだったが、やれる事はわかっていた。


敵兵が言っていた通り、時間がたてば経つほど人員は増え、こちらが不利になる。


神ちゃん『どこかのタイミングで逃げるしかない』


そして敵兵がこの場を去り、タイミングを見て排気口から逃げ出す。


だが所詮こっちは素人だ。


敵兵「見つけたぞ!こっちだ」


すぐに見つかった。


わたし「いやあああああああああああああ」


神ちゃん『左からも来てる!右だ!』


神ちゃんがスキルで敵兵の場所を教えてくれる。


わたし「ひいいいいいいい」


わたしは必死に神ちゃんの指示で逃げていた。


この大量の敵兵相手に。


神ちゃん『クソ!なんなんだ!何故こんなにいきなりムキになって捕まえようとしてくるんだ』


わたし「そんなのさっきのうんこバズーカの一件が洩れたからでしょ!」


神ちゃん『脅威に感じ始めたってわけか!ちくしょう!

 捕まれば速殺されてもおかしくないぞ!』


わたし「ええええええええ!?」


わたし「何とか応戦できないの!?」


神ちゃん『無理だ。昨日から何も喰ってないんだぞ。

 うんこなんかもうねえ、ほら、次、左だ左!』


今はギリギリ神ちゃんの支持でどうにかやり過ごしているがそれもギリギリ。


所詮子供にできる事など限られてる。


気付けば路地裏の行き止まりまで追い詰めらえている。


神ちゃん『上だ!上によじ登れ』


わたし「た、高い所怖いいい!」


神ちゃん『言ってる場合か!早くしろ!』


わたし「ひいいいいい!」


わたしはもうやけくそになり、金網によじ登り壁づたいに敵兵の手をかいくぐる。


敵兵「くそ!待て!」


敵兵「早くしろ、あのうんこ姫を捕まえろ!」


敵兵は重い鎧のせいでなかなかよじ登れず、四苦八苦している。


神ちゃん『よし、いいぞ。もっと上だ!上に行けば奴らをまける!』


わたし「ひいいいい!」


高所恐怖症を押し殺し、もうほとんど言われるがまま動く自動人形が如く支持通り動く。


屋根伝いに必死にバランスと取り、下からこちらを見上げ追いつめようとしてくる

敵兵から逃げる。


神ちゃん『なぁ、何であいつら甲冑脱がないんだ?甲冑が重くて屋根に上れないなら

脱ぐしかないだろ』


わたし「そんなの、うんこぶつけられると思ってるんだよ!

誰だってうんこぶつけられるくらいなら甲冑着るよ!」


最もそのうんこも今じゃ弾切れなのだが。


神ちゃん『・・・・』


神ちゃんの方はなんか納得できない様子だったが、反論は無さそうで黙ってる。


というかそれどころではない。


神ちゃんも敵兵の位置を把握してるだけで、土地勘があるわけではない。


それは宮廷に引き籠っていたわたしにも言える事。


その為、屋根に登れたとはいえ物量で攻められると徐々に行ける方向も狭まっていく。


神ちゃん『あそこだ!』


神ちゃんが突然声をあげる。


わたしが聞こえるのはあくまで神ちゃんの声だけだったが、何故か指し示す方向がわかった。


今は物理的にもつながってるがゆえに、その感覚も共有してるのかもしれない。


その神ちゃんが指し示す方向には高めの塔があった。


教会のベルが備え付けられた塔のようにも見える。


ただしベルのような物は見えない。


神ちゃん『あそこまで行け!』


わたし「ま、待って!あんな所に行ったら追いつめられちゃうじゃない!」


神ちゃん『大丈夫だ!俺に考えがある』


もうこうなったら、その判断に任せるしかない。


屋根から落ちないように気を付けながらもその塔に向かって駆けた。


だが、敵兵もそうそう無能ばかりじゃない。


神ちゃん『まずい!』


神ちゃんの焦りが伝わったかと思うと、前方についに

敵兵が民家の内部を伝って屋根に上って来た。


わたし「うわ!」


慌てて逃げようと後ろに振り返るも、後方にも同じく民家を伝ってやってきた敵兵達。


重い甲冑を付けてるせいでバランスはとりずらそうだが、徐々に追いつめていく。


わたし「ど、どうしよう!」


右も左も前も後ろも屋根の下も敵兵だらけ。


塔もまだ遠い。


完全に進路をふさがれた。


ここから逃げるのは不可能、と諦めた時だった。


神ちゃん『パンツを脱ぎ棄て前方に突っ込め!』


神ちゃんの声が聞こえた。


わたし「え!?」


神ちゃん『大丈夫だ!俺に考えがある』


再び同じセリフを吐く神ちゃん。だが、さすがに今回の指示は従えない。


わたし「考えがあるってヤだよ!そんな事したら痴女じゃん!」


神ちゃん『痴女がなんだ!死にたいのか!奴らはお前の脅威を重々わかってるんだぞ!』


言われてみると、確かに敵兵はかなり慎重な足運びでこちらににじり寄ってくる。


何かあったら腰の剣を使う気まんまんだ。


神ちゃん『痴女がなんだ!既にケツ丸出しで見せてんだ!気にすんな!さあ行け!』


わたし「もおおおおおおお!」


わたしはもうヤケクソになり、その場でパンツを脱いだ。


敵兵「!」


敵兵達に動揺が走るが構わずその場で脱ぎ捨て、その勢いのまま神ちゃんに言われた通り

前方に走り出す。


わたし「んきゃあああああああああ!」


敵兵「来るぞ!?」


突然のわたしの奇行に敵兵は慌てて警戒態勢をとる。


がその時には神ちゃんの準備は終っていた。


神ちゃん『いけええええ!オナラロケットオオオオオオオオオオ!』


同作者の作品


ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた

http://seiga.nicovideo.jp/comic/37013 


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