異世界転生 女神
突然近くで聞こえた張りのある声で目が覚める。
若い女の声だ。
俺「あ?」
??「あ?起きた?」
俺が目覚めたのに気付いたのか、声の主が寝ている俺の近くにズンズンと近づいてきた。
歳は若い。
年齢はというより、まんま女子高生に見える。
髪は茶髪に色黒の肌。
改造してるのか露出度の高い制服。
何故か手には金属バットを持っている。
それさえなければ十分に美人と言える部類の女だろう。
アクセサリーは控えめだが、今じゃ絶滅危惧種に指定されかねないギャルがそこにいた。
とはいえ俺が苦手な人種だ。
ギャル「おい、お前今パンツ見たろ」
俺「見てねえよ」
見た。
仰向けに倒れている男の上に立ってるのだから必然的に見えてしまう。
以外や白だった。
ギャル「ケッ!キメーんだよ」
不快そうに毒づく。
いや、いくら何でも理不尽である。
寝ている俺に近づいてきたのはこのギャルの方であって、
俺が故意に覗いたわけじゃない。
そんな抗議の目線を向けていると。
ギャル「あ?なんだ?やんのか?」
手に持ったバットを肩にかけて誇示してきた。
年上に対してものおじしない態度である。
若さゆえの痛い過ちなのだろう。
俺「やらねえよ。何だお前」
バットを持つその右手が、本当に過ちを犯すかも
という警戒心から早めに上半身を起こす。
ギャル「”何だお前”の前に、ここはどこだだろ」
そうだろうか?と思いつつ周りを見回す。
真っ暗だ。
俺「ここはどこだ?」
ギャル「フヘヘハハハ、ホントに言いやがった。ウケる」
バカにしたように笑う。
そんな反応にムッとしたが改めて周りを見回す。
暗いというより、黒という感じだ。
この中でギャルの姿だけがはっきりと見えるのだ。
俺「あぁ、夢か」
ギャル「ちげーわ」
ギャルの否定に素直に考えをめぐらす。
直前の記憶。
そういや、何か光が凄い勢いで近づいていた。
あの光は夜遅くまで働く俺はよく知っている。
トラックのヘッドライト。
つまり
俺「もしかして死後の世界ってやつか?という事はお前は天使か?お迎え?」
随分擦れた天使だが、天使を見た事ない俺にはその判断がつかない。
と思っていると。
ギャル「近づいちゃいるがちげーわ!つかわかんだろ!この状況」
俺「わかんねーよ。何だよ教えろよ」
と、俺もなんだかイライラして聞き返す。
ギャルは少し偉そうに腰に手をやり、その言葉を言う。
ギャル「異世界転生だよ!んでわたしは女神!」
同作者の作品
マンガ第二次世界大戦を中二病で解説してみた
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