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異世界転生 チート

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アホみたいな会話だったがとりあえず体内に入れば

意思疎通ができる事はわかった。


胃腸の神だとかテキトウな事を言ってしまったが、

おおむね良好に会話は進んでいる。


異世界得点なのか、それとも元々日本語が通じる土地なのか

言葉は通じたのは収穫だった。


とても少女は日本人には見えないので、日本語を喋ってる事に

少々違和感を感じない事もないが、少なくとも第一段階は成功といえよう。


まずは今の状況確認。


とにかく俺はこの世界を救わなければならない。


その為に神と名乗ったのだ。


少女の協力は必要だったが、思わぬ収穫があった。


少女の名前はパール。


この近辺の国の王女様らしい。


話によると先日、何者かの襲撃を受け一夜にして彼女の家族、

つまり王族は滅ぼされたという。


王族が滅びる事は国が滅びる事ともとれるので間違ってはいない。


パールは引きこもりだった為、襲撃した者の正体も何もわからないという。


俺『なるほどのぉ』


俺は偉そうに相槌を打つ。


神というのがこういう喋り方でいいのかも疑問だが、

少なくとも俺の知ってる女神とやらはこんな感じではなかったが、

パールの協力を仰ぐ以上、俺が神であると信じてもらわなければならない。


俺はそれらしい態度をとりつつ、パールから話を引き出す。


小さな事からコツコツと。


社会人の基本である。


ただしさっきパールの話で問題が一つ。


俺『ふむ・・そのお話、嘘であろう』


どう考えても嘘だ。


パール「いや、違いますよ。ホントの事ですよ」


とパールは言い張るが


俺『え~、だが信じろというのか?お主が王女と?』


信じられるわけがない。


偶然にも世界の救済したがってる俺を孕んだ少女が、

偶然にも先日滅んだ国の王女だという。


そんな偶然があるわけがない。


確かにパールのかっこはボロボロながらも、

綺麗めの高級そうな生地を使ってる為良い所の出ではありそうだが。


パール「でも事実ですし・・」


困ったような顔をするパール


俺『・・・・・』


その顔は嘘を言ってるようにも見えない。


このまま嘘と決めつけ突っぱねても少女が協力してくれなくなる。


それは俺としても困った事だ。


俺『わかった。とりあえず街に聞き込みに行こう』


俺『それで本当に敵襲があったかわかる』


パール「えぇ~、でも危険ですよ?」


パール「敵兵はわたしが逃げてるのは気付いていますし、

今頃街には捜索隊がウロチョロしてますよ」


俺『な、なるほど』


思わず納得してしまった。


嘘にしてもディテールに凝っている。


もしかしたら先ほどの内容には全てではないにしろ、

本当に真実がいくつか含まれてるのかもしれない。


俺『しかし、どちらにしても情報は必要だ』


俺『お主の家族達が現在どのような状態にあるかは知りたいであろう?』


パール「た、確かに・・・。冷静に考えると、まずいよね。」


パール「あの時はうんk・・えっと色々あって頭がいっぱいだったけど

下手すればもう・・・」


言っていてどんどん顔が青くなるパール。


パール「やっぱり王都に行きましょう。わたしも知りたいです」


俺『よし、意見が一致した所で行動に移そう』


パール「あの・・・」


俺『ん?』


何かを聞きたそうにモジモジとしているパール。


パール「助けてくれるって事でいいんですよね」


俺『あ、あぁ、そうだったな』


俺『我は神だからな。困ってる者を見捨ててはおけぬ』


とマウントを取る事も忘れない。


パール「まぁ胃腸の神に何ができるって話ですけど・・」


あまり期待してなさそうにボソりとつぶやく。


確かに正直所詮はうんこ。


俺自身何ができるのかはなはな疑問である。


俺『ま、まぁ、とりあえずやってみるしかない。

まずは王都に敵兵が潜伏してるというのであれば変装が必要になるな』


パール「変装といってもどうするんです?ここ森ですよ。葉っぱで顔隠します?」


俺『よく周りを見てみろ』


俺『何か鎧とか色々転がっておるであろう』


パール「あ、ホントだ」


パール「って、これ昨日の敵兵の物だ」


俺『そうなのか?』


パール「うええぇ、中身入ってるし・・死んでるし・・・

でも、間違いないよ。女騎士がやっつけてくれたのかな」


女騎士というのは少女の仲間だろうか。


大人の死体を見てもさほど動揺していないパールを見ていると、

妙な信憑性を感じてしまう。


俺『どちらでもよかろう。とにかくそれを使い上手い事姿を偽装するのだ』


と言いつつふいに「あれ?」と奇妙な違和感を感じた。


その違和感は本当にごくわずかな物で、

意識をそらすと消えてしまうささいなもの。


何だろうかと思ってると、パールが


パール「ん~・・でもなんかこの鎧、臭いよ」


そんな事を言い出し、すぐにその違和感の正体もわからずかき消えてしまう。


実際俺にもその臭気は届いており鼻孔をくすぐる。


俺『・・ふむ、確かにちょっと臭うのぉ』


しかもこの臭い・・・


さっきからよく知る臭い・・


そう思ってから改めて周りを見回す。


木々は先ほどまで少女が居た場所を中心に倒されており、

何かの強い力が働いたのがわかる。


そして同様に周りからも同じ臭いを感知できた。


同じ、そう間違いなく、あのうんこの臭いだ。


そしてそのうんこの臭いとは。


俺(もしかして・・・俺がやったのか?)


異世界転生はチート。


うんこになってももはや様式美と化したその流れに、

俺も乗っかってるのかもと、ここで初めて思い始めた。


同作者の作品


ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた

http://seiga.nicovideo.jp/comic/37013 


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nikoniko_akizakiyuu@yahoo.co.jp

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もしくはhttps://twitter.com/akizakiyuu11


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