異世界転生 自分の姿
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俺「ふぅ」
一息つく。
結構高く飛び上がったはずなのに、地面の衝撃が軽かった事に違和感を感じたが
それよりも俺はまず確かめたい事があった。
俺「ここが異世界なのか?」
異世界に転生すると言われていたが、見たところここは森。
場所が森では事実を確認する事ができない。
俺「とりあえず探索が必要か」
そう思い、歩を歩ませる。
俺「ん?」
体を動かし歩こうとしたが動かない。
生まれたてで赤ちゃんのように、歩くだけの筋力がないとかそんな話じゃない。
まるで何か重い水の中にいるような感触でまったく動かないのだ。
俺「なんだ?」
何かに縛られてるのかと思い、体を確認する。
俺「ん?」
美しい朝日が照らすその体は茶色かった。
ロープでグルグル巻きにされてるから茶色いとかそんなんじゃない。
俺の体が茶色かったのだ。
俺「なんだこれ」
何に転生したのだろうか。
この茶色い体はモンスターだろうか。
にしてはブヨブヨとテカってる気がする。
スライムだろうか。
わからない。
何か体を映せる物はないかと探してみると、転がってる甲冑を見つけた。
周りを見回すと戦闘の跡のような痕跡で、
いくつか鎧が転がっている。
その中で一番綺麗な甲冑に自分の姿を映してみる。
俺「!!!!?」
驚愕で動かなくなった。
手のひらサイズの茶色い姿。
見事なまでのチョコソフトクリームのように体はトグロを巻いており
しかし、チョコレートクリームではないのはすぐにわかる。
俺「こ、これは・・・!まさか・・・!」
この姿を知らぬものなどこの世にいない。
誰もが毎日のように確認し、汚い物を象徴する物体。
通称”うんこ”
紛れもなくうんこ。
見事なまでに綺麗な巻きグソうんこ。
それが俺だった。
俺「なんだこりゃあああああああああああああ!」
俺は思わず叫んだ。
悲鳴にも近い叫び声。
俺「女神いいいいいいい!」
その勢いのまま俺は天に向かって叫ぶ。
俺「女神出て来い!!」
俺「こらあああ!応答しろ!じゃないと、テメーのご神体何が何でも
見つけてきて体こすりつけちゃうぞ!」
ギャル女神『うるせぇなぁ・・』
いかにもめんどくさそうな声が天から聞こえて来た。
姿は見えないが間違いなく、あの時あったギャル女神の声だ。
本当に出て来た。試してみるものだな。
俺「これどういう事だ!」
俺はあらん限りの声で叫ぶ。
ギャル女神『これ?』
俺「しらばっくれんな!どう見ても俺うんこだぞ!
見事なまでに完璧な巻きグソうんこだ!」
ギャル女神『完璧とかそんなに自分を褒めるなよ。キメー奴だなぁ』
俺「嘆いてんだよ!どういう事だよ、これ!!」
なんでこんな姿になってる!」
ギャル女神『何でってお前が望んだんだろうが』
俺「なにいい!」
俺が望んだ?何を言っているんだ?
俺はいつうんこに転生したいなどと言った。
俺が混乱していると女神から返答が飛ぶ。
ギャル『言ったじゃねえか。幼女にズコバコしたいって』
俺「言ったからなんだよ。って、まさか!それを願った罰で!?」
願ったのはまごう事なき未成年に対する淫行だ。
いや、確かに願ったけど、願うくらいいいじゃねえかよ。
願っただけでこの罰ならクジラ〇クスなんか極刑じゃねえか!
ギャル女神『罰じゃねえよ』
しかし俺の思考をギャル女神は否定した。
ギャル女神『お前が望んだままじゃねえかよ』
ギャル女神『幼女にズコバコする権利。
ズコバコとは幼女の中から出たり入ったりする事なんだろ?』
俺「!?」
出たり入ったり・・・その言い回しは・・
俺「・・・・ま、まさか!」
ギャル『合法的に幼女の穴に出たり入ったりしていい存在なんて
”うんこ”しかないだろ』
ズガアアアアアアアアアアアアン
絶望で真っ青になる。
た、確かにそうだった。
そこまで考えなかった。
俺はてっきりエロマンガのように、好きな時に
エッチできるようなそんな存在を想像していたが
そんな都合の良い転生があるわけがない。
あえて俺の願望通りの転生先があるとするならば
確かにうんこだ。
もっとストレートに幼女にモテモテになるイケメンとかにすべきだったああ!
しかし今更嘆いてもしょうがない。
ギャル女神『よかったじゃねえか、お前の望んだとおりだろ』
俺「くうううううっ・・・!」
俺は悔しさのあまり歯噛みする。
おかしいと思うべきだった。
あんな卑猥な願いをあまりにあっさりと了承されすぎだったのだ。
ギャル『んじゃ、そういう事で』
俺「あ、待て!」
俺「これ撤回!リリースだリリース!クリーンオフ期間中だ!」
ギャル『んだよ、せっかくテメーの望みの通りしてやったのに。
クーリングオフなんてできるわけないだろ』
俺「いや、できるはずだぞ!」
ギャル女神『お前が決めんなよ。わたしができねえって言ってんだからできねえよ。』
俺「嘘だね!ほら、あるだろ?元の世界に戻る方法とかで」
ギャル『だから前もテメーは死んでるっつったろ?』
それでも俺は食い下がらない。
ブラック会社でも、俺は最後まで食い下がらずに我慢したのだ。
この程度で諦めない。
営業トークとは根気こそ最大の武器なのだ。
俺「でもあるだろ。世界救ったら褒美に元の世界の体復活してくれるとか」
俺「仮にも女神だろ!人間の切なる願いを叶えてくれたっていいじゃねえか!
ほら、特例とかいうあれで」
ギャル女神『テメーもしつけえなぁ。ん~、そうだな』
女神はちょっと間を置き考えると
ギャル女神『じゃぁいいよ。なんか世界救ったら元の世界に戻してやるよ』
えらいテキトウな返答が帰って来た。
その返答に不安を感じる。
俺「・・なんかって何?この世界魔王にでも支配されて人民は困窮してるとか?」
ギャル女神『ん~、別にそういう事もない』
俺「え?じゃぁ何?俺はいったい何から救うの?」
ギャル女神『ん~、わっかんね』
とあっさり答える。
俺「はあ?」
俺「ちょっと何?何だそれ!?何しろって言うんだ!」
ギャル女神『るっせえな!お前が言い出したんだろうが。
世界を救ったら元に戻せって。
だからその願い叶えてやるって言ってんだ。感謝しろ』
俺「いや、ふざけんな!救う対象がないんじゃ、どうしようもないだろうが!」
ギャル女神『知らねえよ。とにかくわたしはお前の願いを叶えたんだから、
あとはテメーでどうにかしろ』
俺「ちょ!待てこの野郎!」
しかしもういくら叫んでも女神の応答はなかった。
俺「くっっっそおおおおおおおお!」
どんなに叫ぼうともうどうしようもない。
全ては身から出た錆といえばその通りなのだろうが
この先俺はうんことして生きなければならないとかとんでもないハードモードだ。
俺「前世はブラック企業でパワハラ受けて、来世はうんこで、
ありもしない世界の救済をしろって、どんな高難易度クエストだよ!」
そうやって嘆いていると、自分の体の異変に気付く。
俺「ん?」
何か体がさっきより硬くなってる気がする。
いや、気にせいじゃない。
さっきまでテカリが徐々に消え失せている。
俺「まさか!」
誰でも知っている自然の理。
うんことは
渇き、水分を失えば
徐々に硬くなっていき脆くなり
土に帰る。
俺「しまった!このままでは!」
完全に硬くなったら最後、死ぬのみ。
俺「どうにかしないと!」
水につかればどうにかなるのか!
いやダメだ。そんな事をすれば逆に水に溶けてしまう。
かといってこのまま太陽にあたり続ければ乾燥して土に帰るだけ。
ほんとにとんでもないハードモードだ。
俺「何か!何かないか!」
必死に頭を回転させ、この窮地を救うべく周りを見回す。
俺「!」
そこである物が目に入る。
物というよりは者だろうか。
ひっくり反って下半身丸出しで気絶してる少女だ。
何故下半身丸出しでひっくり帰って気絶してるのかはわからないが
非常にかわいらしい容姿をしている。
だがそれ以上に。
その姿を見た瞬間、俺はハッと何かに憑りつかれたかのように体が固まる。
と同時に少女が何者か俺はすぐにわかった。
本能が気付かせてくれた。
俺「まさか・・!」
その事実にすぐに。
俺「お母さん!?」
同作者の作品
ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた
http://seiga.nicovideo.jp/comic/37013
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