異世界転生 巣立ち
同時刻、暗い湿った場所でもがき苦しむ者がもう一人いた。
俺「ここはどこだ?」
目を開けると、真っ暗だった。
いや、真っ暗な為、本当に目を開いてるのかすら判断が難しい。
俺「・・・・・」
結局あれは夢だったのだろうか。
女神が出てきて異世界に転生する。
そんな事を言っていた。
あれが本当に女神だったのかも怪しい。
夢と考えるのが理屈的には正しいのだろうが、妙な現実感もあった。
となると、目が覚めたここは現実だろうか。
俺「・・・・・」
目は見えないが、何か全身を包むような温かくて湿った感触だけがある。
あまり現実で味わえる感触とも思えず、やはり夢のような気もする。
この湿った場所で包まれてるのも気持ちよかったが、外に出たいという
思いの方が強かった。
外に出れないものかと思って周りを見回してると、この暗闇に一筋の小さな光が見える。
光は大きくなったり小さくなったりとくにゃくにゃ動いている。
俺「あそこから出れそうか?」
光は自分の小指ほどの大きさもなかったが、あそこから無性に出たくなった。
俺「よし、行こう!」
この時俺はまだ20代前半の頃、親元を離れ上京し
仕事についた時の事を思い出していた。
何故唐突にそんな巣立ちの時の事を思い出したのかわからないが。
だが、ここから出るのはまさしくその巣立ちの感覚に似てる気がした。
同作者の作品
ニコニコマンガ 第二次世界大戦を中二病で解説してみた
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