プロローグ
ヨハネ黙示録・・・新約聖書の最後に位置する記述であり、新約聖書の中で唯一預言書的書である。
ヨハネの黙示録は、ヨハネによる黙示録・神学者聖イオアンの黙示録ともされ、福音派の一部には、イエス・キリストの黙示と呼ばれることもある。
が、その解釈をめぐって正典とすべきか否かの論議が起こっている書でもある。
神様なんているのかしら?
いたのならば、どうして私を、私たちを助けてくれなかったの?
何も悪いことなんてしていないのに・・・・
あぁ、ドウシテ――。
――わたしのためにののしられ、迫害され、ありもしないことで悪く言われるとき、あなたがたはさいわいである
喜びなさい。喜び踊りなさい。天におけるあなたがたの報いは大きい。
あなたがたの前の予言者達も、同じように迫害されたのである…
ゴシック様式の古い祈りの場。
年若い病的な癖をもつ神父のよく通る声が聖書をたどる。
――あんたが回した歯車だ。目的を終えるまで止まらない。
何を願ったんだよ?
無気力かつ、教会居候なのに無神論を振りかざす少年の鋭い声。
――私を、助けてください
悲鳴のような告解をする少女。
――神なんてこの世にいるわけがない。